こんな方にお勧めです
※人工生殖法の規定により体外受精治療が受けられるのは、法律上の婚姻関係にあるご夫婦と定められています。
法律上の婚姻関係とは?
不妊に関する検査:卵管、卵巣機能、精液検査、子宮などの検査を行ったのち、医師と最適な治療をご相談いただけます。
- 不妊治療を1年以上続けている方
- 38歳以上または卵巣機能が低下しているの方
- 男性不妊、両側の卵管が閉塞、または癒着がある方
- 子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など
- 人工授精を3~4回行ったが、妊娠に至らなかった方
- 原因不明の不妊症
ホルモンについて
分泌系は生殖機能と密接に関係しており、ホルモンの分泌異常は排卵に影響を与えます。
ホルモン数値に異常がある場合、薬で治療する必要があります。
排卵機能の3つの指標:
- AMH(抗ミュラー管ホルモン)
- PRL(プロラクチン/乳腺刺激ホルモン)
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)
- 基本検査について
体外受精の流れについて
-
採卵周期
-
卵子収集法
-
胚盤胞収集法
個人にあわせた、オーダーメイドの排卵誘発剤治療
当院では個人の卵巣機能の状態に合わせた、最適な排卵誘発剤治療を行っています。
排卵誘発剤 | 高刺激 (COH-IVF) |
中刺激 (Mild-IVF) |
低刺激 (Mini-IVF/Natural-IVF) |
二段階採卵法 (D-OPU) |
対象 | AMH≧3 AFC>5 |
0.8≦AMH<3 3 |
AMH<0.8 AFC<3 |
AMH<0.8 AFC<3 |
採卵個数 | 4個以上(10±2) | 2~4個 | 0~2個 | 1~3個 |
AMH:卵子の在庫量の指標
AFC:胞状卵胞数(超音波で確認できる小さな卵胞)
排卵誘発剤
2011年に発表された長時間型排卵誘発剤Elonva(Corifollitropin)は生理2~4日目に1本、皮下注射をします。
その後は、採卵日までに短時間型排卵誘発剤を追加で1~3本打つだけなので、注射が苦手な方の「注射への恐怖」を和らげることができます。
このElonvaは、一般的に高刺激法に使用されています。
薬剤 | Elonva | Gonal-f | Puregon | Pergoveris |
薬剤の成分 | FSH | FSH | FSH | FSH+LH |
種類 | 長時間型 | 短時間型 | 短時間型 | 短時間型 |
注射の頻度 | 5~6日に一本 | 毎日 / 1日おき | 毎日 / 1日おき | 毎日 / 1日おき |
受精方法
受精方法 | 自然受精 | 顕微受精 (ICSI) | 顕微受精 (IMSI) |
観察の様子 | |||
精液分析 | 正常 | 運動率<32% 精子の形態正常率<4% |
運動率<30% 精子の形態正常率<1% |
精子 | 自然競争により淘汰 | 400倍率顕微鏡下 | 6300倍 超高倍率顕微鏡下 |
35歳以上・卵子の成熟率が60%未満の場合・融解卵子の場合は、紡錘体観測(Spindle microscope)を行い、受精率を高めます。
胚盤胞移植
培養日数 | 5~6日 | 凍結胚 | PGT-A/PGS+凍結胚 |
胚移植 | BCグレード以上の胚盤胞 | 5~6日目の BCグレード以上の融解胚 |
PGT-A/PGSを行った 染色体正常な融解胚 |
妊娠率 | 高い | さらに高い | 最も高い |
移植周期の薬
黄体ホルモン剤 | Utrogestan(ウトロゲスタン)、Crinone(クリノン/ワンクリノン膣用ゲル)、Endometrin(エンドメタリン膣剤) 、長時間型黄体ホルモン剤、水性の黄体ホルモン製剤、短時間型黄体ホルモン剤 Progesterone(プロゲステロン) |
その他 | Estrade(エストレード/エストロゲン剤)、抗血栓注射剤、Bokey(アスピリン)、 免疫調整剤・免疫抑制剤、子宮収縮抑制剤 |
・採卵手術
二段階採卵法
1周期に2回採卵する方法により、限られた治療時間を有効にご利用いただけます。
(医師より個別にご案内しています)
二段階採卵手術費用:手術費・排卵誘発剤・薬剤費等は別途。
渡航・滞在日数のご案内(海外在住の皆様へ)
初診日に、排卵誘発の薬や注射剤をお持ち帰りいただきます。
その後、採卵周期の生理8~10日目にご来院いただき、卵胞の発育状況を確認します。(日本のバックアップクリニックで確認が可能な場合は、ご来院の必要はありません。)
一般的に採卵日は生理の13~15日目で、卵胞発育の結果により医師が採卵日を決定します。
採卵日の前日には台湾にお越し下さい。
採卵後すぐの帰国はお身体の負担となるほか、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の恐れもありますので、
術後2~4日ほど滞在してからの帰国をお勧めします。
<採卵手術当日の注意事項>
・全身静脈麻酔下で採卵手術を行います
・術前8時間は絶飲絶食をお願いします
・化粧・コンタクト・アクセサリーなどの貴金属はご遠慮ください
・ネイル(ジェルネイルを含む)は落としてください
胚盤胞の発育
治療のリスクについて
年齢とともに卵子の質と数量は低下していきます。
そのため、35歳を過ぎてから自己卵で体外受精を受ける場合、
・早発排卵・空胞・卵子の質の低下・受精率低下
・異常受精・受精卵が分割しない・分裂停止
・卵巣反応不良
以上の8つのリスクがあります。
*体外受精は医療行為です。状況は個人差があり、予測できないことをご了承ください。
移植の流れ
渡航と滞在日数のご案内(海外在住の皆様へ)
生理4日目:事前にお持ちかえりいただいたお薬の服用開始
生理12~14日目 :内膜の厚さと黄体ホルモン数値を検査(日本のバックアップクリニックで検査が可能な場合は、この期間にご来院いただく必要はありません。)
結果が順調な場合:黄体ホルモンを5日間、またはERA検査の結果に基づき服用開始
18~20日目 :移植ご来院の際は、日本語のコンサルタントがご案内します。
移植後、採血等の検査を行いますので、2~4日ほど滞在してからの帰国をお願いしています。