体外受精について
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① 初代体外受精技術(コンベンショナルIVF)
一般的な体外受精の技術のことを指します。
精子と卵子を体外で培養し、精子と卵子が自由に結合することで受精が行われます。 -
② 第二世代体外受精技術(顕微授精)IVF2.0
卵細胞質内精子注入法(ICSI)とも呼ばれ、精子を卵子に直接注入することで受精率を上げる技術です。
精子の量が少ない、運動率が低い、或は運動率は十分でも、精子が卵子と結合することが困難等の場合に、この顕微授精を行います。 -
③ 第三世代体外受精技術(着床前診断)IVF3.0
従来の技術に加え、移植前の胚盤胞に染色体の異常があるかを調べる「着床前スクリーニング検査(PGT_A/PGS)」を併せた治療法です。
IVF3.0(第三世代体外受精技術)
現在の体外受精は第三世代まで発展しており、
それぞれの身体の状況、不妊の原因に対処することが可能となりました。
このように当院では、医師が「個人に合わせた体外受精治療(PP-IVF)」で不妊治療を行っています。
IVF3.0+について
体外受精によって受精した卵子を胚盤胞まで培養した後、着床前スクリーニング検査(PGT-A/PGS)で胚盤胞の染色体を調べ、そして子宮内膜着床能検査(ERA)の結果に基づき、ベストなタイミングでの移植を行います。
コウノトリ生殖医療センターでは、IVF3.0(着床前スクリーニング検査(PGT-A/PGS)+子宮内膜着床能検査(ERA))の他、 下記のような検査も行っています。
・EMMA(子宮内膜マイクロバイオーム検査)
・ALICE(感染性慢性子宮内膜炎検査)
・移植前・移植後の採血確認(血栓や免疫項目など
当院2017~2018年の統計データの分析では、BBグレード以上の染色体正常な胚盤胞を、
正しいタイミングで移植した場合の妊娠率は、80%に達しています。
こんな方にお勧めです
※人工生殖法の規定により体外受精治療が受けられるのは、法律上の婚姻関係にあるご夫婦と定められています。
法律上の婚姻関係とは?
不妊に関する検査:卵管、卵巣機能、精液検査、子宮などの検査を行ったのち、医師と最適な治療をご相談いただけます。
- 不妊治療を1年以上続けている方
- 38歳以上または卵巣機能が低下しているの方
- 男性不妊、両側の卵管が閉塞、または癒着がある方
- 子宮内膜症、多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)など
- 人工授精を3~4回行ったが、妊娠に至らなかった方
- 原因不明の不妊症
ホルモンについて
分泌系は生殖機能と密接に関係しており、ホルモンの分泌異常は排卵に影響を与えます。
ホルモン数値に異常がある場合、薬で治療する必要があります。
排卵機能の3つの指標:
- AMH(抗ミュラー管ホルモン)
- PRL(プロラクチン/乳腺刺激ホルモン)
- TSH(甲状腺刺激ホルモン)
- 基本検査について
体外受精の流れについて
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採卵周期
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卵子収集法
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胚盤胞収集法
患者様にあわせたオーダーメイドの排卵誘発剤治療
コウノトリ生殖医療センターでは、患者様にあわせた治療を行っています。患者様個々の卵巣機能の状況に応じて、最適な排卵誘発剤の治療を行います。
排卵誘発剤 | 高刺激法 (COH-IVF) |
低刺激法 (Mild-IVF) |
微⼩刺激 (Mini-IVF) |
二段階採卵法 (D-OPU) |
自然周期 (Natural-IVF) |
対象 | AMH≧2 AFC>5 |
0.8≦AMH<2 3 |
AMH<0.8 AFC<3 |
AMH<0.8 AFC<3 |
AMH<0.14 AFC=1 |
採卵個数 | 4個以上 | 4個を超えない | 1~3個 | 1~3個 | 0~1個 |
AMH:卵子の在庫量の指標
AFC:胞状卵胞数(超音波で確認できる小さな卵胞)
排卵誘発剤
長時間型排卵誘発剤Elonva(corifollitropin)は2011年に発表されました。生理2~4日目にElonva1本を皮下注射し、採卵前に短時間型排卵誘発剤を追加で1~3本使用するだけです。
これにより、注射を怖いと感じている方の「注射の悪夢」を取り除くことができます。一般的に高刺激法に使われています。
薬剤 | Elonva | Gonal-f | Puregon | Pergoveris |
薬剤の成分 | FSH | FSH | FSH | FSH+LH |
種類 | 長時間型 | 短時間型 | 短時間型 | 短時間型 |
注射の頻度 | 5~6日に一本 | 毎日もしくは隔日 | 毎日もしくは隔日 | 毎日もしくは隔日 |
受精方法
受精方法 | 自然受精 | 顕微受精 (ICSI) | 顕微受精 (IMSI) |
観察の様子 | |||
精液分析 | 正常 | 運動率<32% 精子の形態正常率<4% |
運動率<32% 精子の形態正常率<1% |
精子 | 自然競争により淘汰 | 400倍率顕微鏡下 | 6300倍 超高倍率顕微鏡下 |
高齢、卵子の数が少ない、卵子凍結の方は、紡錘体観測(Spindle microscope)を行い、受精率を高めます。
胚盤胞移植
培養日数 | 5~6日 | 凍結胚 | PGT-A/PGS+凍結胚 |
胚移植 | BCグレード以上の胚盤胞 | 5~6日目の BCグレード以上の融解胚 |
PGT-A/PGSを行った 染色体正常な融解胚 |
妊娠率 | 高い | さらに高い | 最も高い |
移植周期の薬
黄体ホルモン剤 | Utrogestan(ウトロゲスタン)、Crinone(クリノン/ワンクリノン膣用ゲル)、Endometrin(エンドメタリン膣剤) 、長時間型黄体ホルモン剤、水性の黄体ホルモン製剤、短時間型黄体ホルモン剤 Progesterone(プロゲステロン) |
その他 | Estrade(エストレード/エストロゲン剤)、抗血栓注射剤、Bokey(アスピリン)、 免疫調整剤・免疫抑制剤、子宮収縮抑制剤 |
・採卵手術
二段階採卵法
限られた治療時間を有効に活かすことのできる一周期に二回採卵する方法です。
二段階採卵法の採卵手術で生じる排卵誘発剤及び薬剤費用は、実際に使用した分をお支払いください。
採卵の渡航と滞在日数のご案内(海外在住の患者様へ)
初診の日に排卵誘発の薬や注射薬をお持ち帰りすることができます。
採卵周期に卵胞発育の状態を確認するため、採卵周期の生理8~10日目に受診する必要があります。(日本のクリニックでバックアップが可能な場合は、この期間にご来院いただく必要はありません。)
一般的に、採卵日は生理の13~15日目となっておりますが、卵胞発育の結果より医師が採卵日程を決定します。採卵日前日に台湾にお越しください。
採卵後、卵巣過剰刺激症候群(OHSS)の恐れがありますので、すぐの帰国はお体の負担となります。手術後、2~4日ほど滞在してからの帰国をお勧めします。
<採卵手術当日の注意事項>
通常、全身静脈麻酔下にて採卵手術を行います。
□採卵の注意事項はコンサルタントよりメールで或いは院内でご説明いたします。
・胚盤胞の発育
残りの10%は再度採卵手術を受け、胚盤胞を収集することをお勧めします
治療のリスクについて
年齢とともに卵子の質と数量は低下しています。
そのため、高齢女性は自己卵子で体外受精の治療を受ける場合、
早発排卵、非破裂卵胞、受精率低下、受精異常、分裂停止、空胞、卵子の質低下、卵巣反応不良の8つの状況がよくみられます。
*体外受精は医療行為です。状況は患者様個々により個人差があり、不確定性があることをご了承ください。年齢によるリスクについては以下の図をご覧下さい。
移植の流れ
移植の渡航と滞在日数案内(海外在住お客様へ)
事前にお持ち帰り移植周期用の薬を生理4日目から服用します。
移植周期の生理10~12日目に検査する必要があります。
内膜の厚さと黄体ホルモンの数値を検査します。
(日本のクリニックでバックアップが可能な場合は、この期間にご来院いただく必要はありません。)
検査後、もし結果が順調の場合、黄体ホルモンを5日服用します。或いはERA検査の結果により、黄体ホルモンの服用時間を当
移植は生理の約18~20日目になります。
ご来院の際に日本語のコンサルタントが付き添い、ご案内します。
移植後、採血等の検査が必要ですので、1週間ほど滞在してからの帰国をお勧めします。
費用について
体外受精の費用
以下は世界各国の体外受精費用(台湾ドル)の概要です。
国 | アメリカ | オーストラリア | 香港 | 中国 | 日本 | コウノトリ |
費用 | 30~45万 | 16~25万 | 30~40万 | 10~15万 | 15~20万 | 20~22万 |
現在、コウノトリ生殖医療センターで長時間型排卵誘発剤での体外受精を一回行った場合の費用は、約20~22万台湾ドルです。
この費用には、注射薬剤、ホルモンの採血検査、経腟超音波、採卵、胚培養、胚移植及び胚凍結などの費用が含まれています。
着床前胚単一遺伝子欠損検査(PGT-M/PGD)、着床前胚染色体異数性検査(PGT-A/PGS)、精巣精子回収術(TESE)、精巣上体精子回収術(MESA)などの特殊処置の費用は別途かかります。
1.日本の体外受精費用は比較的安価な理由として低刺激法(Mild-IVF)または微小刺激(Mini-IVF)を多く採用していることがあげられます。毎回の治療の排卵誘発剤費用は約5万台湾ドルです。
2.卵子バンク・精子バンクはセット費用です。また、海外サービス費用は別途かかります。
①初診 初診はまずAMHを採血検査し 医師と話しあってから治療に入るかどうかを決めることができます。 |
(i)採血 AMH、TSH、PRL |
1600台湾ドル (約52米ドル) |
(i)採血 AMH、TSH、PRL |
卵管造影検査--2500台湾ドル (約82米ドル) 子宮鏡検査--7000~12500台湾ドル (約230~452米ドル) 子宮頚部細菌培養--2800台湾ドル (約92米ドル) |
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自己免疫検査 | 8000台湾ドル (約263米ドル) |
海外サービス費用 | 75000台湾ドル (約2540米ドル) |
②採卵周期 | 1回の採卵周期 | 薬と注射剤の費用 約2万~4万台湾ドル (約660~1320 米ドル) |
<追加費用> *二段階採卵法 |
8450台湾ドル (約280米ドル) +薬と注射剤の費用(別途) (約277米ドル) |
③移植周期 | 1回の移植周期 | 約58,000台湾ドル (約1900米ドル) 別途追加薬と注射剤 |
④保存費用 | 二年間分を一度に支払うと、1割の割引きがあります | 8000台湾ドル/一年間 (270米ドル/一年間) |
*一部の費用は当日の為替レートにより変動します。
*薬剤の費用:AMH数値により医師から処方されます。
*海外サービス費用:初回資料登録、医療専門コンサルティング、手続きサポート等の事務サービスを含む。
体外受精の妊娠率と出産率
IVF3.0+の謎を解
体外受精に必要な書類(初診から遡って三ヶ月以内有効)
婚姻証明書(初診から遡って三ヶ月以内有効)
人工生殖法の規定により、人工生殖を行う夫婦は必ず法律に即した婚姻関係を有していることが必要です。
日本の台北駐日経済文化代表処で戸籍謄本の認証をご申請ください。(下図参照)
申請手順はこちらをご参考ください。
*ご夫婦どちらか台湾籍である場合、台湾籍の身分証をご提示ください。
婚姻証明書の取得の必要はありません。
その後、日本各地の台北駐日経済文化代表処で婚姻証明書発行の手続きを行います。
戸籍謄本の原本とコピー、写真付きの身分証明書と、文書証明申請書が必要となります。
文書証明申請書は、台北駐日経済文化代表処のWEBサイトからダウンロードが可能です。
証明の発行には2日から3日ほどかかる場合がございます。
もし、その他の書類が必要であると判断された場合、提出書類を余分に要求される事もありますので、早めの申請をお願いいたします。
初診日から遡って3ヶ月以内に日本の台北駐日経済文化代表処で認証を受けた戸籍謄本をご用意ください。
最新の費用や発行に必要な時間については、各市区町村の窓口や台北駐日経済文化代表処にご確認ください。
申請書類は台北駐日経済文化代表処ホームページにあります。
ご夫婦二人の身分証明書
- パスポート
- 健康保険証
- 日本在住の外国籍の方は、在留カード・永住者証明書など在留資格が証明できる身分証明をお持ちください。
- 上記の身分証明とパスポートの氏名は一致する必要があります。
よくある質問
世界中で体外受精が行われており、現在体外受精により生まれた体外受精児は800万人を超えます。奇形率は自然妊娠と同等です。体外受精を行う方のほとんどは、高齢もしくは精子の質に問題がある方です。このような場合、高リスク群に属していますので、妊婦健診の際に羊水検査、非侵襲的出生前検査(NIFTYまたはNIPT)、高性能超音波検査を受けることを強くお勧めします。
OHSS(卵巣過剰刺激症候群)の可能性があります。
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排卵誘発剤の使用により、複数の卵胞が成長させます。体内のホルモン濃度が増加し、血管透過性が高まり、血管内の高分子成分(アルブミン、電解質など)が血管から腹部や胸部などの空間に漏れ出し、蓄積される状態です。
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よくある副作用:吐き気がするほどのお腹の張り、息苦しさ、、手足の痺れ、摂取した水分量と尿量に差がある(尿量が少ないなど)
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3.重症者は腹水や胸水、血栓の症状がある可能性があります。
以上の症状が続く場合は、速やかに当院にご連絡ください。
当院では、OHSS(卵巣過剰刺激症候群)ゼロを目標に、新型の排卵促進剤(GnRH agonist) を採用し、凍結胚盤胞の融解移植を行っています。
これまでに排卵誘発により、卵巣がんの発症に繋がったという研究結果はありません。
入院の必要はありません。移植後、30分から2時間ほどお休みいただき、ご帰宅いただけます。入院や一日中ベッドで休むことにより妊娠率を増加させることにはつながりません。妊娠率は胚盤胞の質と関係しています。
バランスの摂れた食事を心がけ、規則正しい食事をすることが大切です。高タンパク、高カルシウム、ビタミンが多く含まれる食品を積極的に摂るようにしてください。新鮮な野菜や果物など、加工されていない生鮮食品をしっかりと摂取してください。また、漢方薬やアルコールを含む薬膳や栄養補助食品は摂取しないでください。天然(無添加)のマルチビタミンは摂取してもかまいません。
仕事での疲れなどが原因で子宮収縮が起こりやすくなります。重い物を下から上へ力を込めて持ち上げたり、 重い荷物を長時間持ち続けたりしないでください。その他、夫婦生活、ハイヒールを履くこと、激しい運動、腹部へのマッサージなど、お腹に力が入る動きは控えてください。
考えられる原因として、過労、お腹に力が入っている、膣剤を深く挿入したことによる子宮頚管の収縮、胚盤胞着床により子宮内膜が剥がれ落ちた(妊娠初期の着床出血)
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褐色の出血
- 十分に休息をとってください。
- 出血量を一日観察し、褐色からピンクや鮮血に
- 変化した場合は右側記載の処置を行い、
当院連絡後、かかりつけの病院をご受診下さい。 - 写真で記録を行い、LINEにてご連絡下さい。
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ティッシュで
ふき取ったときに
少量つく- ウトロゲスタン2錠服用。
- 十分に休息をとってください。
- 出血量を一日観察し、出血量が増えた場合、
当院連絡後、かかりつけの病院をご受診下さい。 - 写真で記録を行い、LINEにてご連絡下さい。
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ティッシュで
ふき取ったときに
中量つく- 黄体ホルモンをお尻に注射(24時間に1本注射)
- 止血薬1錠服用(一日3回、朝・昼・晩)
- 6時間ほどベッドで横になり、
当院連絡後、かかりつけの病院をご受診下さい。 - 土曜午後・日曜祝日の場合、救急をご受診下さい。
- 写真で記録を行い、LINEにてご連絡下さい。
- 写真で記録を行い、LINEにてご連絡下さい。
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理ナプキンを
つけるほど
多量- 黄体ホルモンをお尻に注射(24時間に1本注射)
- 止血薬1錠服用(一日3回、朝・昼・晩)
- 4-6時間ほどベッドで横になり、
当院連絡後、かかりつけの病院をご受診下さい。 - 土曜午後・日曜祝日の場合、救急をご受診下さい。
- 写真で記録を行い、LINEにてご連絡下さい。