精子提供治療に必要な検査のご案内です
ホルモン検査
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・AMH(抗ミュラー管ホルモン)
AMHは卵胞から分泌されるホルモンで、卵子在庫量を確認するための最も重要な指標です。
女性の卵子数は生まれた時から決まっています。思春期になると、年齢とともに卵子の数が減少するに伴い、AMHの数値も低下します。
卵子の在庫量検査により、卵巣機能を確認し、その後の治療に役立てることができます。AMHと卵巣年齢の関係 卵巣年齢 25歳以下 35歳 38歳 40歳 43歳以上 海外の学会 >6 4 3 2 1 当院 >6 2.2 1.3 0.9 0.7 AMHと治療プラン AMH (ng/ml) >3 0.8~3 ≦0.8 卵子の在庫量 十分 明らかな減少 深刻な減少 予測される採卵数 >4個(10±2) 2~4個 0~2個 排卵誘発方法 高刺激 低刺激 自然周期 ※生理の2~4日目にAMH検査を行うことをお勧めします。
検査費用:800台湾ドル(約26米ドル)
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・PRL(プロラクチン/乳腺刺激ホルモン)
下垂体前葉から分泌されるホルモンで、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)と互いに影響するため、高すぎると排卵が抑制され不妊の原因となります。
参考基準値:
妊娠していない女性:36ng /ml未満(当院の検査基準による)※検査数値が高すぎる方は、妊娠まで投薬の継続を推奨します。
※ホルモン薬剤が検査数値に影響する可能性があるため、ホルモン剤使用期間外での検査をお勧めします。
検査費用:400台湾ドル(約13米ドル)
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・TSH(甲状腺刺激ホルモン)
下垂体前葉から分泌されるホルモンです。甲状腺機能の低下は排卵障害を引き起こし、不妊の原因となります。
甲状腺機能の亢進は妊娠後の母体に影響を与え、流産・早産・更に子癇前症などの合併症を引き起こす可能性があります。
参考基準値:
- 妊娠の予定がある女性 :2.5以下
- 妊娠初期:2.5以下
- 妊娠中期:3.0以下
- 妊娠後期:3.5以下(μIU/mL)(当院の検査基準による)
※検査数値が高すぎる方は、薬によるコントロールを行い、妊娠中も経過観察が必要です。
検査費用:400台湾ドル(約13米ドル)
超音波検査
経膣もしくは腹部超音波検査で子宮や卵巣・卵管の状態を観察します。排卵日の予測や子宮内膜の厚さの測定も可能な、幅広く応用される基本的な検査です。
生理周期 | 検査内容 | 検査目的 |
1~4日目 | 胞状卵胞数(AFC)と卵巣の大きさ | 卵巣機能評価 |
12~14日目 | 卵胞の大きさと数 | 排卵日の予測 |
12~14日目 | 子宮内膜の厚さ | 胚の着床環境を確認 |
生理が終わった後 | 子宮の構造と大きさ | 胚の着床環境を確認 |
検査費用:500台湾ドル(約16米ドル)
卵管造影検査(HSG; Hysterosalpingography)
レントゲンで卵管の通過性と子宮構造に異常がないかを確認します。検査精度は90%に達します。
卵管は精子と卵子が出会う場所です。卵管の通りが良ければ、タイミング法または人工授精を行うことが可能ですが、閉塞や水腫がある場合は、子宮外妊娠となる確率が高くなります。また卵管水腫は、水腫内の炎症性の液体が子宮に流れ出ることにより、胚の着床と発育に影響を及ぼし妊娠率を25%~50%低下させます。体外受精を受ける方は胚移植前に卵管造影検査を行うことをお勧めします。
生理終了直後から11日目までに検査を行うことをお勧めします。
※12日目以降に検査を受ける場合は避妊が必要です。
子宮頚部から造影剤を子宮内に注入し、レントゲンで造影剤の流れを確認します。検査の所要時間は5~10分です。検査結果は当日医師よりご説明いたします。
- 当院では、身体的負担が少ない水溶性の造影剤を使用しています。少ない痛みでより正確な検査を行うことができます。
- 検査中、卵管に閉塞がない場合は僅かに不快感を感じる程度ですが、卵管の閉塞や慢性骨盤腹膜炎、子宮内膜症がある場合は比較的強い痛みを伴うことがあります。検査前には鎮痛剤と抗生剤を服用いただきます。
検査費用:2,500台湾ドル(約82米ドル)
子宮鏡検査(H-scopy)
子宮鏡は内視鏡の一種で、子宮内に細いカメラを入れて直接内部を観察します。小さな異常であれば、その場で処置を行うことも可能です。
不妊症や早期流産、枯死卵、習慣性流産などの原因の一つとして、子宮内のポリープ、癒着、筋腫や子宮頸管の狭窄など、着床に適さない子宮環境が挙げられます。
これらの異常は超音波検査やレントゲン検査では発見が難しく、診断は子宮鏡で直接確認することで行われます。
- 生理終了直後から11日目までに検査を行うことをお勧めします。
※12日目以降に検査を受ける場合は避妊が必要です。
- 採卵手術もしくはERA検査(子宮内膜着床能検査)と同時に受けることも可能です。
細く柔らかい直径3mmのカメラを子宮頸部から子宮内に挿入します。検査時の痛みはなく麻酔も必要ありません。検査は5分程度で終わり、検査後は仰向けの状態で5~10分お休みいただきます。
- 検査中に異常が見つかった場合は、医師がその場でご説明した上で麻酔と治療を行います。治療後は1時間程お休みいただいた後、当日ご帰宅いただけます。
検査費用:
- 検査のみ:7,000台湾ドル(約230米ドル)
- 検査+治療:12,000台湾ドル(約393米ドル)
- 病理組織検査:1,800台湾ドル(約59米ドル)
※治療で摘出した組織を調べる検査です。
子宮頚部生検(3in1検査)
子宮頸部の細菌やウイルスなどの感染の有無を確認する検査です。
検査項目:
- 子宮頸部細菌培養検査(Cervical Discharge Culture)
- クラミジアDNA検査(Chlamydia DNA)
- ヒトパピローマウイルス検査(HPV)
これらの病原菌への感染は、慢性炎症を起こし生殖器を長期的に傷つけ、妊孕性(妊娠する能力)を低下させたり子宮外妊娠などを引き起こす原因となります。
- 生理終了後、いつでも。
- 採卵手術もしくはERA検査(子宮内膜着床能検査)と同時に受けることも可能です。
滅菌綿棒で子宮頸部の組織を採取します。
検査自体はすぐ終わりますが、検査結果が出るまでに2~3週間かかります。
検査費用:
2,800台湾ドル(約92米ドル)
- 子宮頸部細菌培養検査のみ:800台湾ドル(約26米ドル)
- クラミジアDNA検査のみ:800台湾ドル(約26米ドル)
- ヒトパピローマウイルス検査のみ:1,200台湾ドル(約40米ドル)
自己免疫検査
一般的に免疫機能とは、異物に対して人体が備えている防御機能で、体内に侵入したウイルスや細菌などを攻撃し身体を守ってくれます。
しかし、免疫機能が過剰に働くと、移植された胚盤胞を外から侵入した異物とみなし攻撃することで、着床率の低下や流産率の上昇を招いてしまいます。
自己免疫検査では、採血によりこれらの免疫システムの異常を調べます。
免疫検査項目 | 日本語名 | 検査費用 | |
Anti-β2-Glycoprotein-IgG Anti-β2-Glycoprotein-IgM Anti-Cardiolipin IgG Anti-Cardiolipin IgM |
抗β2-グリコプロテイン-IgG 抗β2-グリコプロテイン-IgM 抗CL抗体 Ig-G 抗CL抗体 Ig-M |
7,000台湾ドル (約230米ドル) |
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Anti-ENA | Anti-RNP Anti-Smith Anti-SSA(Anti-Ro) Anti-SSB(Anti-La) Anti-Scl-70 Anti-Jo-1 |
抗ENA抗体 | |
Anti-TPO Ab | 抗TPO抗体 | ||
Anti-Thyroglobulin:ATA | 抗サイログロブリン抗体 | ||
Lupus anticoagulant | ループスアンチコアグラント | ||
Protein S | プロテインS(活性) | 1,000台湾ドル (約33米ドル) |
生理周期の影響は受けないため、いつでも検査を行うことができます。
※免疫治療は長期に渡って服薬を続ける必要があるため、体外受精の治療開始時に検査を受けることをお勧めします。これにより、移植前に免疫数値の対策を行うことができます。
その他必要な検査
検査項目 | 検査結果の有効期限 | 検査費用 | 対象者 |
エイズ(HIV) | 半年以内 | 500台湾ドル(約16米ドル) | ご夫婦 |
梅毒(RPR) | 半年以内 | 150台湾ドル(約5米ドル) | ご夫婦 |
血液型(ABO+Rh) | - | 150台湾ドル(約5米ドル) | ご夫婦 |
全血球計算(CBC) | 半年以内 | 300台湾ドル(約10米ドル) | 奥様のみ |