妊娠の妨げになる要素を排除し、万全の状態で移植を迎えていただけるよう、下記検査実施をお願いしております。

ホルモン検査

  • ・PRL(プロラクチン/乳腺刺激ホルモン)

    下垂体前葉から分泌されるホルモンで、FSH(卵胞刺激ホルモン)やLH(黄体形成ホルモン)と互いに影響するため、高すぎると排卵が抑制され不妊の原因となります。
    参考基準値:
    妊娠していない女性:36ng /ml未満(当院の検査基準による)

    ※検査数値が高すぎる方は、妊娠まで投薬の継続を推奨します。

    ※ホルモン薬剤が検査数値に影響する可能性があるため、ホルモン剤使用期間外での検査をお勧めします。

    検査費用:400台湾ドル(約13米ドル)

  • ・TSH(甲状腺刺激ホルモン)

    下垂体前葉から分泌されるホルモンです。甲状腺機能の低下は排卵障害を引き起こし、不妊の原因となります。

    甲状腺機能の亢進は妊娠後の母体に影響を与え、流産・早産・更に子癇前症などの合併症を引き起こす可能性があります。

    参考基準値:

    ※検査数値が高すぎる方は、薬によるコントロールを行い、妊娠中も経過観察が必要です。

    検査費用:400台湾ドル(約13米ドル)

    • 妊娠の予定がある女性 :2.5以下
    • 妊娠初期:2.5以下
    • 妊娠中期:3.0以下
    • 妊娠後期:3.5以下(μIU/mL)(当院の検査基準による)

 

超音波検査

経膣もしくは腹部超音波検査で子宮や卵巣・卵管の状態を観察します。移植周期・ERA検査周期では子宮内膜の厚さを測定するための必要な検査です。
長期間無月経だった方は生理調整薬を服用後、超音波検査により子宮の大きさを確認していきます。

検査はいつ受けられますか?
超音波検査は治療の段階ごとに合わせ、検査する内容が異なります。
タイミング 検査内容 検査目的
生理が終わった後 子宮の構造と大きさ 胚の着床環境を確認
ERA/移植周期12~14日目 子宮内膜の厚さ 胚の着床環境を確認
移植後  胎嚢・心拍の確認 胚の着床・成長の確認

検査費用:500台湾ドル(約16米ドル)

 

卵管造影検査(HSG; Hysterosalpingography)

レントゲンで卵管の通過性と子宮構造に異常がないか、また卵管水腫の有無を確認します。検査精度は90%に達します。

卵管水腫は水腫内の炎症性の液体が子宮に流れ出ることにより、胚の着床と発育に影響を及ぼし妊娠率を25%~50%低下させます。
また閉塞の主な原因は感染症によるため、詰まりが認められた場合は医師の判断により抗生剤を処方します。
体外受精を受ける方は胚移植前に卵管造影検査を行うことをお勧めします。

検査はいつ受けられますか?

生理終了直後から11日目までに検査を行うことをお勧めします。

※12日目以降に検査を受ける場合は避妊が必要です。

検査方法

子宮頚部から造影剤を子宮内に注入し、レントゲンで造影剤の流れを確認します。検査の所要時間は5~10分です。検査結果は当日医師よりご説明いたします。

  • 当院では、身体的負担が少ない水溶性の造影剤(非イオン造影剤)を使用しています。少ない痛みでより正確な検査を行うことができます。
  • 検査中、卵管に閉塞がない場合は僅かに不快感を感じる程度ですが、卵管の閉塞や慢性骨盤腹膜炎、子宮内膜症がある場合は比較的強い痛みを伴うことがあります。検査前には鎮痛剤と抗生剤を服用いただきます。

検査費用:2,500台湾ドル(約82米ドル)

 

子宮鏡検査(H-scopy)

子宮鏡は内視鏡の一種で、子宮内に細いカメラを入れて直接内部を観察します。小さな異常であれば、その場で処置を行うことも可能です。

不妊症や早期流産、枯死卵、習慣性流産などの原因の一つとして、子宮内のポリープ、癒着、筋腫や子宮頸管の狭窄など、着床に適さない子宮環境が挙げられます。

これらの異常は超音波検査やレントゲン検査では発見が難しく、診断は子宮鏡で直接確認することで行われます。

検査はいつ受けられますか?
  • 生理終了直後から11日目までに検査を行うことをお勧めします。

    ※12日目以降に検査を受ける場合は避妊が必要です。

  • 採卵手術もしくはERA検査(子宮内膜着床能検査)と同時に受けることも可能です。
     
検査方法

細く柔らかい直径3mmのカメラを子宮頸部から子宮内に挿入します。検査時の痛みはなく麻酔も必要ありません。検査は5分程度で終わり、検査後は仰向けの状態で5~10分お休みいただきます。

  • 検査中に異常が見つかった場合は、医師がその場でご説明した上で麻酔と治療を行います。治療後は1時間程お休みいただいた後、当日ご帰宅いただけます。

検査費用:

  • 検査のみ:7,000台湾ドル(約230米ドル)
  • 検査+治療:12,000台湾ドル(約393米ドル)
  • 病理組織検査:1,800台湾ドル(約59米ドル)

※治療で摘出した組織を調べる検査です。

 

子宮頚部生検(3in1検査)

子宮頸部の細菌やウイルスなどの感染の有無を確認する検査です。

検査項目:

  1. 子宮頸部細菌培養検査(Cervical Discharge Culture)
  2. クラミジアDNA検査(Chlamydia DNA)
  3. ヒトパピローマウイルス検査(HPV)

これらの病原菌への感染は、慢性炎症を起こし生殖器を長期的に傷つけ、妊孕性(妊娠する能力)を低下させたり子宮外妊娠などを引き起こす原因となります。

検査はいつ受けられますか?
  • 生理終了後、いつでも。
  • 採卵手術もしくはERA検査(子宮内膜着床能検査)と同時に受けることも可能です。
検査方法

滅菌綿棒で子宮頸部の組織を採取します。

検査自体はすぐ終わりますが、検査結果が出るまでに2~3週間かかります。

検査費用:

2,800台湾ドル(約92米ドル)

  • 子宮頸部細菌培養検査のみ:800台湾ドル(約26米ドル)
  • クラミジアDNA検査のみ:800台湾ドル(約26米ドル)
  • ヒトパピローマウイルス検査のみ:1,200台湾ドル(約40米ドル)

 

自己免疫検査

一般的に免疫機能とは、異物に対して人体が備えている防御機能で、体内に侵入したウイルスや細菌などを攻撃し身体を守ってくれます。

しかし、免疫機能が過剰に働くと、移植された胚盤胞を外から侵入した異物とみなし攻撃することで、着床率の低下や流産率の上昇を招いてしまいます。

自己免疫検査では、採血によりこれらの免疫システムの異常を調べます。

免疫検査項目 日本語名 検査費用
Anti-β2-Glycoprotein-IgG
Anti-β2-Glycoprotein-IgM
Anti-Cardiolipin IgG
Anti-Cardiolipin IgM
  抗β2-グリコプロテイン-IgG
抗β2-グリコプロテイン-IgM
抗CL抗体 Ig-G
抗CL抗体 Ig-M
7,000台湾ドル
(約230米ドル)
Anti-ENA Anti-RNP
Anti-Smith
Anti-SSA(Anti-Ro)
Anti-SSB(Anti-La)
Anti-Scl-70
Anti-Jo-1
抗ENA抗体
Anti-TPO Ab 抗TPO抗体
Anti-Thyroglobulin:ATA 抗サイログロブリン抗体
Lupus anticoagulant ループスアンチコアグラント
Protein S プロテインS(活性) 1,000台湾ドル
(約33米ドル)
検査はいつ受けられますか?

生理周期の影響は受けないため、いつでも検査を行うことができます。

※免疫治療は長期に渡って服薬を続ける必要があるため、体外受精の治療開始時に検査を受けることをお勧めします。これにより、移植前に免疫数値の対策を行うことができます。

 

必要な検査

以下の検査は必須項目です。

検査項目 検査結果の有効期限 検査費用 対象者
エイズ(HIV) 半年以内 500台湾ドル(約16米ドル) ご夫婦
梅毒(RPR) 半年以内 150台湾ドル(約5米ドル) ご夫婦
血液型(ABO+Rh) - 150台湾ドル(約5米ドル) ご夫婦