よくある質問

体外受精は胎児奇形の恐れがありますか?

現在体外受精により生まれた体外受精児は世界で800万人を超え、その奇形率は自然妊娠と同等と言われています。体外受精を行う方は、年齢や精子の質に問題を抱えている方が多く、高リスクがあるため、妊婦検診の際には羊水検査・非侵襲的出生前検査(NIFTYまたはNIPT)、高性能超音波検査を受けることをお勧めしています。

体外受精にはどのような副作用がありますか?

OHSS(卵巣過剰刺激症候群)のリスクがあります。

  1. 排卵誘発剤の使用により複数の卵胞を成長させるため、体内のホルモン濃度が増加します。
    OHSSはその結果、血管透過性が高まり、血管内の高分子成分(アルブミン・電解質など)が
    血管から腹部・胸部などの空間に漏れ出し蓄積される状態です。

  2. よくある症状:吐き気がするほどのお腹の張り、息苦しさ、手足のしびれ、摂取した水分量と尿量に差がある(尿量が少ない)

  3. 症状が進むと、腹水・胸水・血栓など重症になる可能性があります。

以上の症状が見られる場合は、速やかに当院へご連絡ください。

当院ではOHSS(卵巣過剰刺激症候群)ゼロを目標に、リスク軽減が見込める排卵促進剤(GnRH agonist)を採用しています。
また症状がないのを確認してからの移植、凍結胚盤胞の融解移植を行っています。

体外受精の多胎妊娠率はどのくらいですか?
体外受精の多胎妊娠率は約20%で、大多数は双子です。
当院での胚盤胞移植は通常1個、余剰胚は凍結保存をお勧めしています。
その結果、多胎妊娠率は下がり、当院の双子妊娠率は3%以下となっています。
排卵誘発による卵巣がんのリスクはありますか?

これまで、排卵誘発により卵巣がん発症につながったという研究結果はありません。

移植後、入院の必要はありますか?

入院の必要はありません。
移植後30分~2時間ほどお休みいただき、ご帰宅いただけます。
妊娠率は胚盤胞の質と関係があるため、入院することより妊娠率が高まるわけではありません。

移植後、生活・食事についてどのようなことに注意すべきですか?

①バランスのとれた、規則正しい食事をすることが大切です。
高たんぱく質・高カルシウム・ビタミンが多く含まれる食品、新鮮な野菜や果物など加工されていない生鮮食品を摂るようにしてください。
天然(無添加)のマルチビタミン・葉酸の摂取は問題ありませんが、漢方薬やアルコールを含む薬膳料理や、その他栄養補助食品の摂取はお避け下さい。

②疲れなどが原因となり、子宮収縮が起こりやすくなります。
重いものを力を入れて持ち上げたり、長時間持ち続けたりしないでください。
その他、夫婦生活・ハイヒール・激しい運動・腹部へのマッサージなど、お腹に力を要れる動作は控えてください。

出血した場合、どうすればいいですか?

考えられる原因:過労、お腹に力が入っている、膣剤を深く挿入したことによる子宮頚管の収縮、胚盤胞着床により子宮内膜が剥がれ落ちた(妊娠初期の着床出血)
日本にお住まいの方は、かかりつけの病院へ、台湾にお住まいの方は、当院をご受診ください