人工授精(IUI/AIH)とは何ですか?

医師が排卵時間を推測し、処理した活動力の良い精子を直接子宮内に注入して、卵子と精子が出会う確率を高める治療方法です。

人工授精は私に適していますか?

対象者:少なくとも片側の卵管の通りが良好な方
妊娠率: 15%
治療期間:3~6ヶ月

治療の流れ

  • 生理の2日目~4日目:排卵誘発薬の使用または排卵誘発剤の注射を開始

    まず、超音波で小さい卵胞を確認します。

    そして、医師の指示により排卵誘発剤を使います。

    排卵誘発剤は卵胞の成長に必要な養分(卵胞刺激ホルモン)を供給します。

    卵胞刺激ホルモン(rFSH)とその他のホルモンの刺激により小さい卵胞の成長速度を調整し、成熟卵子の数を増やし、妊娠率を上げます。

    医師が卵巣の状況に最も適した排卵誘発剤とその量を決定します。

  • 生理の約8日目~10日目: 超音波検査

    医師が指定した時間に再診し、ホルモンの数値(LH/E2/P4)及び経腟超音波検査により卵胞の大きさを測定し、排卵誘発剤による刺激後の卵胞の成長状況及び速度を確認します。

    経膣超音波検査で中等大・大卵胞の有無を確認する(卵胞の直径14㎜以上は中等大の卵胞、卵胞の直径17㎜以上は大卵胞)

  • 生理の約12日目:排卵促進剤の注射

    卵胞の大きさにより、排卵促進剤を注射する時間を決定します。

    特定の時間に排卵促進剤を注射してください。

    注射後、約36~40時間内に排卵しますので、注射の二日間後、精子を子宮内に注入します(人工授精)。

  • 子宮内に精子を注入

    1. 注入当日に精液検体を準備します。(自宅で採取し持参/院内で採精する)
      当院まで60分以内であれば自宅での採取も可能です。60分以上かかる場合は当院での採取をお願いします。

    2. 精子を遠心分離器にかけて洗浄・濃縮を行います。所要時間は1時間前後。

    3. 培養室で処理した活動力のいい精液を子宮に注入します

    4. 移植後の休憩
      移植後、ベッドで30分程お休みいただきます。その際、腰~おしりの辺りに枕を入れ、子宮腔内の精子が卵管まで泳げるようにサポートします。

     

    精子処理の方法は三つがあります

    一般的には密度勾配遠心法(Gradient)を選びます。

    洗浄濃縮法
    (Spermwash)
    密度勾配遠心法
    (Gradient)
    スイムアップ法
    (Swim-up)

    精液と精子洗浄液を合わせ遠心分離を行い、異物を除去する方法です。
    精子の活動力と数のどちらも不足している場合は、この簡単な洗浄方法を採用します。

    生きている精子と死んでいる精子の重さの違いで分離する方法です。
    この方法で活動力の良い精子を集めることができます。

    活動力の良い精子は上まで泳ぐ特性があるため、
    この方法により活動力の良い精子を集めます。

  • 黄体ホルモン補充期

    医師の指示により、子宮内膜を安定させるため、黄体ホルモン剤を15日間補充します。薬を服用している間は月経がありません。
    真っ赤な出血がある場合は、当院にご連絡ください。

    黄体ホルモン(内服薬・膣座薬)
    子宮内膜を着床しやすい環境にします。

    アスピリン
    血液循環を促進

  • 妊娠判定 β-HCG test

    15日間の薬を飲み終わって、3日後に生理が来なければ、予定通り妊娠判定を行います。

    生理が来た場合、当院にご連絡し、次の予約を取りします。

費用

全体的に、約3~5万台湾ドル / 一回の治療

治療 費用

排卵誘発剤.排卵促進剤/
血液ホルモン検査

10,000~30,000台湾ドル
約325~985米ドル

超音波

500台湾ドル/回
約16米ドル/回
精子処理と移植

9,000~11,000台湾ドル
約3295~360米ドル

黄体ホルモン剤 500~3,000台湾ドル
約15~100米ドル

 

よくある質問

人工授精をする(精子を注入する)日はどのように決まりますか?
通常、排卵促進剤後、36~40時間以内に排卵します。
この時間に子宮に精子を注入し、排卵を待つことにより、受精率を高めます。
移植の際、痛みはありますか?
内診と同じく、軽い不快感はありますが、強い痛みを感じることはありません。
多胎妊娠の確率は?
自然周期では、大部分の女性は毎月1個の卵子が排卵されます。
排卵誘発剤を使用した場合、多くの卵胞が同時に成熟するため、排卵数の増加により妊娠率が高くなると同時に多胎妊娠率も高くなります。
一般的には、排卵誘発剤の反応が良い方の多胎妊娠率はより高いといわれています。
多胎妊娠は、流産と早産のリスクがあり、胎児の異常率も高くなるため、妊娠後期は特に注意が必要です。
三つ子以上をご妊娠された場合、減胎手術を受けることをお勧めします。
人工受精後のどのようなことに注意したらいいですか?
精子と卵子は卵管で受精できた後、細胞が分裂し、胚盤胞になります。、胚盤胞は約4日後子宮に着床しますので、人工授精の4日後~妊娠判定まで性行為は避け、重さを伴う家事(例:洗濯・床掃除・重いものを持つ・子どもを抱くなど)及びおなかに力が入る動き(例:激しい運動・腹部のマッサージなど)はできるだけ行わないようにしてください。
その他、通常通りの日常生活を過ごしていただいて構いません。
飲食に関しては、高タンパク質・高カルシウム・高ビタミンの食物を多く摂るようにし、水分は、毎日少なくとも2ℓ以上摂取するようにしてください。
黄体ホルモンの服用している際、出血がありましたら、下記の処置方法をご参考ください。
性別は選べますか?
人工生殖法により、性別選ぶことはできません。人工授精治療で、精子の運動率で精子を選びますので、XとYの分離はできません。
2、3ヶ月行っても妊娠しない場合はどうすれば良いですか
人工授精は、超音波検査の卵胞の状態から排卵日を予測し、精子を直接子宮内に注入し、黄体ホルモン剤の補充により妊娠をサポートする治療方法です。妊娠率は20~30%です。
卵巣機能の低下や子宮環境の異常、免疫問題などの複雑な要因により妊娠が困難な場合、人工受精を行い妊娠するという目標を達成することはより困難です。
3~6ヶ月ほど行っても妊娠しない場合は、医師の指示により、必要な検査を受け、体外受精にステップアップすることをお勧めします。
自己注射が難しい場合、どうしたらいいですか?
排卵誘発剤は皮下注射です。注射方法は難しくなく、患者様ご自身で打つことができます。注射処方時に、当院スタッフが注射の方法を注射の打ち方に関する動画を用いてご説明します。

ご自身での注射が難しい場合

当院の問診時間にご来院ください。医療スタッフが注射いたします。
(注射はご自身で保管ください。)
人工受精はどうなリスクがありますか?
1.人工受精の治療で、何個の卵子が受精・着床したか確認ができないため、多胎妊娠のリスクも高くなります。
2.人工受精の治療で、排卵誘発剤で卵子を成長させます。体内のホルモン濃度が上がるため、*卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクも高くなります。卵胞の数に応じて、体外受精治療に切り替えることを医師よりお勧めします。

*卵巣過剰刺激症候群(OHSS)
1.排卵誘発剤の使用により、複数の卵胞が成長させます。体内のホルモン濃度が増加し、血管透過性が高まり、血管内の高分子成分(アルブミン、電解質など)が血管から腹部や胸部などの空間に漏れ出し、蓄積される状態です。
2.よくある副作用:吐き気がするほどのお腹の張り、息苦しさ、、手足の痺れ、摂取した水分量と尿量に差がある(尿量が少ないなど)
3.重症者は腹水や胸水の症状がある可能性があります。
以上の症状が続く場合は、当院にご連絡ください。