悲しみから立ち上がり叶えた夢、海外での卵子提供で家庭を築く
不妊という難しさに直面したある日本人のご夫婦は、度重なる流産と深い心の苦しみを経験しました。最終的に当院を通じ海外での「卵子提供」による治療を選択されました。不安やさまざまな困難を乗り越え、念願だった三人家族を築くという願いを叶えることができたのです。
2025-06-03

結婚してから子供に恵まれず、夫婦で不妊治療を続けましたが、3回妊娠して出産まで至らず、21週までお腹の中で育った赤ちゃんが妊婦健診で心音が聞こえないと診断を受け流産しました。その時は、精神的にきつかったけど、子供が欲しい気持ちは、夫婦とも同じ考えだったので治療を続けました。
妊娠を望み海外へ:卵子提供を受ける夫婦の不安
このまま変化のない不妊治療の継続では希望がないと感じ、コロナ禍明けにコウノトリ生殖医療センターの説明会があることを耳にし、東京の説明会に参加しました。
説明会でのビデオ放映で、卵子提供を受け子供を授かった夫婦をみて心に響くものがありました。説明会には、沢山のご夫婦が参加されていて、同じ悩みの方は多いのだなと思いました。
そこでのマッチング結果で適合する卵子がありましたが、私たち夫婦に似た子供が産まれて来るのか、近くで診察出来ず大丈夫なのか、流産はしないのか、台湾に2回行かないといけないが仕事もあるから本当に行けるのか、久しぶりの海外渡航への抵抗、お金の送金等、その時は不安しかありませんでした。
困難はありましたが、子供を授かりたいという気持ちで、コウノトリ生殖医療センターのスタッフの方々とのメールのやりとりをする中で、迅速に対応して下さったことで不安が軽減し、いつの間にかスタッフの方々が私たち夫婦の支えとなり、ひとつひとつ乗り越えて行くことができました。
困難を乗り越え、卵子提供で迎えた新しい命の感動
1度目の台湾渡航は夫婦で行きましたが、2度目の台湾渡航の際は1人で不安でした。現地の方々が優しく、質問にも丁寧に対応してくれました。自分が強くなれた気がしました。
2度目の台湾渡航の受診後は、内服薬や注射と必要物品をもらい、自己注射をしていくことになります。自己注射では何ヶ所も内出血するため何処に注射してよいのか分からず注射が嫌になりましたが、スタッフの方々に相談すると適切なアドバイスをいただき、自己注射も必要期間の最後まで、継続して終えることができました。
何もかもひとりで頑張る必要はなく、夫婦で支えあって行かないと疲れてきます。私は先日の10月11日に3400gの男の子を出産しました。コウノトリ生殖医療センターの説明に行き、私達夫婦の子供が欲しいと思う気持ちが強くなり、行動に移したことでスタッフの方々のサポートを受けることができ、私達夫婦は家族となることが出来ました。この子が私達夫婦を選んで産まれてきてくれたことに本当に感謝しています。
子供がなかなか授からないご夫婦がいましたら、コウノトリ生殖医療センターの説明会に参加されてみると、気持ちに変化があるかもしれません。
コメント:
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日本にご在住のこのご夫婦は40代になってから治療開始され、これまでに32回もの採卵手術、14回の体外受精を行い、妊娠には3回成功しましたが、残念ながらいずれも流産に終わってしまいました。そのうちの1回は妊娠21週目で心拍が止まってしまい、夫婦にとってその悲しみと心の痛みは言葉にできないほどだったに違いありません。そんな中、ご夫婦は当院の卵子提供説明会に参加され、台湾で卵子提供治療を受けることを決断されました。そして当院での1回目の移植で妊娠成功し、無事に赤ちゃんを出産されました。
海外で卵子提供を受けるという選択は、決断するまでに多くの不安や葛藤があったことでしょう。それでも「子どもを授かりたい」という強い願いがあったからこそ、日本国内では受けられない卵子提供や、言葉の壁がある台湾に対しても、勇気を持って大きな一歩を踏み出さすことができ、妊娠・出産という願いを叶えることができたのだと思います。本当におめでとうございます!
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卵子の染色体正常率は、年齢の上昇とともに低下していきます。統計によると38〜39歳の胚の染色体正常率は約30〜35%で、40歳になると20〜25%にまで下がり、43歳を超えると卵子の正常率はわずか8%程度にまで低下します。40歳を超えると、自己卵子による治療では胚盤胞まで到達できない可能性があるほか、たとえ胚盤胞を得られたとしても染色体異常のリスクが高くなり、その結果、着床に至らなかったり流産を引き起こすことがあります。特に習慣性流産の経験がある43歳以上の女性には、卵子提供による治療をお勧めしています。当院の卵子ドナーはすべて32歳未満で、厳しい健康診断を通過しているため、染色体の異常率や健康面についても安心していただけます。
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海を跨いだ治療では、主な連絡方法はメールや電話によるやり取りとなります。日本とは異なる文化や医療体制に不安や戸惑いを感じる方もいらっしゃるかもしれませんが、当院ではすべての患者さまに担当者がついており、日本人と台湾人スタッフで構成された「日本語コンサルタントチーム」が皆さまに安心して治療に臨んでいただけるよう、全力でサポートしております。
卵子数 | 正常受精卵数 | 胚盤胞数 | 移植した胚盤胞 | 結果 |
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20個 | 15個 | 14個 | PGT-A/PGS 未生検 |
2024年 元気な男の子を出産 |
*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。