早発閉経-海を越え、ママになる
2020-02-28
私たち夫婦は33歳で結婚して間もなく不妊治療を始めましたが、早発性閉経という疾患により、妊娠することが極めて難しい状態でした。
しかし、私にとって子どもを授かることは長年の夢で、あきらめたくない気持ちがあり、国内で何度か転院をしながら体外受精に4回チャレンジしました。
精神的にも辛い治療にも関わらず、結果が出ないまま2年が過ぎ、夫婦でこの先のことを話し合う中で、台湾での卵子提供という選択肢を検討するようになりました。
中国語はおろか、英語も得意でない私たちにとって台湾での治療は、当初ハードルが高いと思いました。ただ、調べてみると2回の渡航、しかも数日の滞在でチャレンジできることや、日本語ができる女性スタッフの方が、事前のメールでの問い合わせに対して、レスポンスよく、どんなに細かい質問でも丁寧に対応してくださったことが決め手になりました。
実際に渡航した際にも、メールでやりとりして下さった担当の方が病院で笑顔で出迎えてくれ、台湾内での手続きや、医師の問診、検査や施術に至るまで常に同行し、
不安の無いようにわかりやすく説明してくれました。
帰国してからも薬の飲み方など、フォローのメールを下さり、安心して治療を進めることができました。
ドナーさんに関しては、国籍や血液型など基本的な事項はリクエストしたものの、私たちに合う方を探してくださるということだったので、それまでの対応が信頼できるものだったので、不安なくクリニックに一任しました。結果、選んでいただいたドナーさんが有難いことに、多くの卵子を提供して下さいました。大変な採卵だったと思いますが、難しいと思っていた妊娠が現実に近づいた喜びを感じました。
数多くの胚盤胞からグレードの良いものを選んでいただき、2回目の渡航の際に移植しました。日本に帰り、着床診断のエコーで小さな赤ちゃんの心臓が動く姿を見て、なんて可愛らしいのだろうと、胸がいっぱいになりました。
子宮内でも順調に赤ちゃんが育ち、自然分娩で出産することができました。産院で15時間の陣痛の末、生まれたての我が子を見た瞬間、思わず涙が溢れました。
夫婦で我が子を迎える準備をずっと頑張ってきたことに対する気持ちはもちろんですが、コンディションの良い卵子を提供してくれたドナーさん、
リラックスできるよう笑顔で施術をしてくださった先生、ずっと窓口になってくれた専任の女性スタッフの方への感謝の思いでいっぱいになりました。
我が子はすでに3か月を迎えようとしていますが、身長・体重も増え、すくすく元気に育っています。
出産前には自分に似ていないことが、気になってしまうのではという不安もありましたが、生まれてみれば、そんなことはどちらも良いと思うくらい我が子をいとおしく感じます。
日本を離れての治療は簡単な決断ではないと思いますが、クリニックの方々が手厚くバックアップして下さるので、
1つずつ進めていけば、チャレンジできない治療ではないと思います。
我が子が大きくなったら、家族で台湾に旅行をしたいと思っています。
コメント
- 早発性閉経は、20~30代で閉経あるいは思春期から無月経となり、心の中ではママになりたいと願っても、その実現は遥か遠く、手が届かないのが現状です。しかし幸いなことに医療の進歩と法律より、台湾での「卵子提供」は合法的な治療と認められており、早発閉経の方も「卵子提供」を受けることで、ママになる夢を実現することができるのです。
- 当院をご利用の日本人の患者さまの大半は、年齢による不妊が主な原因です。本編のような早発閉経の患者さんは多くはありませんが、ここ数年少しずつ増えてきている状況です。体験談を投稿してくださった患者さまは、出産後すぐ第二子を希望され、メールをくださいました。「卵子提供」をすることを早く決めたため、体力も時間もまだあります。きっと4人で素敵な時間を過ごすことができるでしょう。
- 当院での治療の記録
卵子数 | 成熟卵子数 (MII) |
正常受精 (2PN) |
胚盤胞 | 移植回数 | 移植個数 | 結果 | 残りの胚盤胞 |
---|---|---|---|---|---|---|---|
19 | 18 | 14 | 9 | 1 | 1個(培養5日目/4AA) | 男の子 | 8 |
*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。