卵子凍結の特典はどれくらい?

生殖投資にも特典!卵子凍結後5年の特典がどのくらい得られるかは、「株式選び」と同じように迷ってしまうものです。最大限の特典を得るには、どのように選べばよいのでしょう?

2024-07-10

卵子凍結の特典はどれくらい?

「正しい選択」には特典がついてきます!もし2019年に20万台湾ドルで台湾積体電路製造(TSMC)の株を1,000株購入していた場合、5年後にはその価値は100万台湾ドルになっています。同じ年にアメリカの半導体株であるエヌビディア(Nvidia)やインテル(Intel)を購入していたら、現在はどのくらいになっているでしょうか?

生殖投資にも特典があります!卵子凍結後5年の特典がどのくらい得られるかは、「株式選び」と同じように迷ってしまうものです。では、どのように選べば最大限の特典を得ることができるのでしょうか?

iVie第52号(院内雑誌)に登場するCさんは、42歳になってから卵子凍結を決意しました。「未来を信じ」、自分で決断をした彼女は、18個の成熟卵を凍結しました。そして5年後、パートナーと出会い47歳でその凍結卵子を融解・受精を行った結果、15個の卵子が生存(生存率83%)、13個が正常に受精(受精率87%)し、最終的に4個の良好胚を得ることができました。そして移植に最適なタイミング(ERA120時間)に合わせ、染色体が正常な胚盤胞(培養6日目/6BB)を移植し、免疫反応の影響を受けることなく順調に妊娠。無事に健康な男の子を出産することができました。


年を重ねた方から卵子凍結の相談を受けた場合、私はまず年齢を確認し、もし43歳を超えている場合は卵子提供を検討するように勧めます。その理由は、自己卵子で妊娠を目指すには費用も時間もかかるためです。
仮に42歳の時点で凍結した卵子がなく47歳で妊娠を希望し、しかも卵子提供ではなく、どうしても自分の卵子で妊娠したい場合はどうすればよいのでしょうか?

その例として、顔嘉楽さん(台湾のタレント)の症例を紹介します。彼女は1年半の間に23回の採卵手術を行い合計44個の卵子、そしてその後の培養で11個の胚盤胞を得ることができました。しかし、6個の胚盤胞をPGT-A/PGS(着床前スクリーニング検査)に出したところ、正常胚は1つもありませんでした。
そこで、PGT-A/PGS検査を受けていない5個の胚盤胞と、シグナル無し(どちらか分からない)の結果となった1個を2回に分けて移植しました。免疫反応や血栓のリスクがなかったため、2回目の移植で偶然にも双子(男女)を授かることができましたが、それまでには時間的な負担が大きくかかり、さらに費用は約300万台湾ドル(約1,400万円)にもなりました。
 


Cさんが妊娠3カ月を迎え、当院を卒業の際、私はご主人にこう伝えました。
「奥さまは、たくさん費用を抑えてくれましたね!」そして、カルテにはこう記録しました。
「未来のママ! 47歳の彼女は42歳の自分から卵子をプレゼントをもらった。Cool!少なくとも300万台湾ドルの費用を抑えた!」実際には、節約できた金額はそれ以上の可能性もあります。なぜなら、彼女はまだ3つの移植可能な胚盤胞を保存しているからです。

正しい選択は遅れてもやらないよりはマシ!
卵子凍結においては「今からでも間に合いますか?」と尋ねるのではなく、「どこで卵子を凍結すれば最も特典を得られか?」と考えるべきです。

卵子凍結は株式投資と似ており、その特典は料金の安さ、キャンペーン、利便性、サービスの評判などとはそれほど関係がありません。最も重要なのは「妊娠成功率」=「科学を信じること」です。
どのクリニックの成績が最も良いのか、透明で公開されたデータを比較することが何より大切です。「台湾No.1」「最大手」「最も有名」などの宣伝文句に惑わされてはいけません。

アメリカでは疾病予防管理センター(CDC)が全国の生殖医療センターに定期的な成績公開を義務付けています。
これは、株式上場企業が四半期ごとに財務報告を発表するのと同じ仕組みであり、患者が事実を知った上で適切な選択ができるようになっています。台湾ではこの透明化を20年間提唱してきたにもかかわらず、いまだ進展がありません。

そこで当院は率先して2024年2月より、公式サイトで最新の成績を自主的に公開し始めました。
これは患者さまの「知る権利」を守るための取り組みであり、患者さまが「情報のないまま卵子を凍結する」ことを避けるための方針です。患者さまと同じ立場に立ち、サポートすることを大切にしています。

私たちは単に実績を公表するだけでなく、当院公式サイト上で「今日の卵子凍結数(現在中国語版のみ)」と「卒業生」をデジタル表示するシステムを導入しました。「今日の卵子凍結数」では1日の卵子凍結を行った人数、お住まいの地域(台湾国外)、年齢層、卵子の在庫量(AMHの値)、卵子1個あたりの費用などを、また「卒業生データ」では、当院で移植し妊娠3カ月を迎え卒業証書」を受け取った方への医師からのメッセージを公開しています。 1日平均3~4名の卒業生、1日平均4~5名が新たに卵子を凍結されており、これらの情報を通じて、より多くの方が正しい判断を下せるようになることを願っています。


「正しいことをすれば、良い結果が訪れる」ただし、忍耐も必要です。
Cさんは5年前に凍結した卵子によって、5~10倍もの特典を得ることができました。これは、台積電(TSMC)株への投資を超える5倍のリターンに相当します。さらに残っている3つの胚を移植して第二子を授かれば特典は40倍に達し、まるでNVIDIA(輝達)に投資したようなリターンになるでしょう。

しかし、もし凍結卵子から1人の子どもも授かれなかった場合、その結果はまるでインテル(Intel)に投資し、5年後に価値が半分になってしまった状況よりも厳しいものになるかもしれません。

気づけばすでに7月。なぜアジア各国の生殖医療センターは「良い結果」を公開しないのでしょうか?
 


コメント

42歳のCさんが、当院で3回の凍結卵子を行った状況は以下のとおり:AMH1.42

採卵 1回目 2回目 3回目 合計
採卵数 7個 6個 10個 23個

 

47歳となったCさんが、当院で卵子を融解、受精を行った状況は以下のとおり:

 

*YouTubeは現在中国語版のみの配信です

 

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。