HPV(ヒトパピローマウイルス)の予防

HPVワクチン接種はHPVを予防する上で最も有効的な方法です。 ただしワクチン接種後でも、性経験のある女性は定期的にパップテスト(子宮頸がん細胞診)を受ける必要があります。

2017-01-09

HPV(ヒトパピローマウイルス)の予防

HPVとは?

HPVウイルスは正式名ヒトパピローマウイルス(Human papillomavirus:HPV)といい、100種類以上の型があります。性経験のある女性であれば60~80%以上が生涯で一度は感染するとされているウイルスです。大多数の方は感染しても免疫反応により排除されますが、長期間感染していると前がん病変に進行し、癌に移行する可能性があります。
よく見られる性病は:尖圭コンジローマ これはHVP6型と11型(低リスク型のHPV感染が原因によるものです。60~75% の子宮頸がんはこの16型と18型(高リスク型)の長期感染により引き起こされます。
台湾女性のHPV感染の比率は約9~15%です。ただしHPV検査が陽性=子宮頸がんということではありません。子宮頸がん異形成や子宮頸がんの診断は、子宮頸部の組織を採取し生検してからの診断となります(コルポスコピー検査)。

どう子宮頸がんを予防する?

HPVワクチン接種をすることがHPVを予防する上で最も有効的な方法です。
ただしワクチン接種後も、性経験のある女性は定期的にパップテスト(子宮頸がん細胞診)を受ける必要があります。
子宮頸がんワクチン、つまりHPVウイルスの予防型ワクチンは主に「ウイルス様粒子(Virus-Like Particle) 」により構成され、「ウイルス様粒子」は「ウイルスカプセル(virus capsule)」によって構成された「無感染性の小粒子」です。
ワクチンは完全なウイルスの遺伝子情報を持たないので、子宮がんワクチンを接種しても感染することはありません。


 ワクチン接種の対象:
 

  1. ワクチンが発表されたばかりの頃は、"9~26歳の性経験のない男女”がHPVワクチンを接種することにより最大の予防効果が得られると言われていました。
  2. 近年の統計では女性のHPV感染には2つの感染ピーク期があることが分かっています。年齢別では26~30歳と46~55歳、子宮頚がんへの移行ピークは41歳~45歳と66~70歳となっています。年齢が上がるにつれ免疫力は下がり、以前感染したウイルス・新たに感染したウイルスに対する免疫反応も下降していくので、年齢の高い方は癌性のHPVを長期的に感染する確率が若い女性より高くなります。このことから年齢が高く性経験のある女性ならば、今まで感染したことのないHPVウイルスの型を予防するためにも、ワクチン接種をすることはとても有益な事だといえます。
     

高感染リスク対象者は次の通りです:
性経験が早い(20歳前)、不特定多数のパートナーがいる、子宮頸がんの家系、喫煙、性病になったことがある、免疫機能が抑制されている(エイズ、長期的にステロイドを服用している)など
上記のような女性はHPVウイルスに感染しやすいと考えられています。
このような感染しやすい女性は年齢に関わらず、積極的にワクチン接種をお勧めします。

参考資料:台湾癌症基金会
 

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。