必ず原因がある!「習慣性流産」の犯人は?

胚盤胞の染色体も正常、正確な移植を行ったにもかかわらず、なぜ上手くいかないのでしょうか?

2023-09-01

必ず原因がある!「習慣性流産」の犯人は?

実際のケース(カルテ番号:555*3)をご紹介します。
患者さまは他院で複数回の移植をされたのち、2019年に当院を受診され、3回の移植を行いましたが成功しませんでした。
胚盤胞の染色体も正常、正確な移植をおこなったにもかかわらず、なぜ上手くいかないのでしょうか?

 

ではここで、胚を攻撃する5大要素について見ていきましょう。
血栓、白血球、NK細胞、B細胞、腫瘍壊死因子(TNF-a)


この犯人たちはいつ現れるのでしょうか?
最も攻撃を受けやすいタイミングを探し、胚盤胞がいつ攻撃され始めるかを確認します。

攻撃を受けやすいタイミング:
移植後1週目、2週目、胎児心拍確認の前後



攻撃されやすいタイミングに合わせ「3回の採血確認」を行うことで、これらの犯人たちが現れていないかを確認することができるのです!


 

胚の成長を邪魔する犯人を見つけた後は、対象にあわせた免疫薬剤を使用することで対応します。

「レベル1」の薬剤で効果が見られない場合は、一つ段階をあげ、「レベル2」の薬を使用します。

 

 

さて、冒頭で紹介した患者さまのケースに戻りましょう。
彼女は4回目の移植の際に「3回の採血確認」を実施。4回目の移植も残念な結果に終わってしまったものの、採血確認により、胚を攻撃していた犯人を見つけ出すことができました! 
 

 

2021年5回目の移植:
彼女の胚を攻撃している免疫反応は、重度と判断されたため、レベル5の免疫薬剤を使用し、胚の成長をサポートする必要がありました。

 

まとめ: 彼女は、3回に及ぶ正確な移植を行うも全て失敗。2021年、4回目の移植ではレベル3の免疫薬剤を使用し「3回の採血確認」を行ったことで、胚を攻撃している犯人を見つけ出すことに成功しました。そして5回目の移植でレベル5の免疫薬剤を使用することで、無事に妊娠しました!
 

 

「免疫ママ」が犯人との戦いを制するのは簡単ではありません。
今回紹介したお客様は、当院が年間100例近く対応する「免疫ママ」の中でも少数のケースです。
2021年に「3回の採血確認」を生み出したことにより、当院では彼女たちの胚を攻撃する犯人を特定することができるようになりました。
また2022年には「着床期救命理論」を生み出し、今に至るまで10数名の赤ちゃんたちを救い出すことに成功しています。
 

 

当院は「 習慣性流産」に悩まれる方にしっかり寄り添い、一緒に最適な解決方法を探します!


*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。