赤ちゃんのベッドは快適ですか?子宮内膜の厚さを改善する方法

胚着床(IMPLANTATION)の問題は、不妊症で克服すべき最も重要な問題の一つです。 薬の補助で子宮内膜を厚くすることはできますが、子宮疾患により子宮内膜の増殖が不可能な患者様にとっては治療に限りがあります。

2021-01-25

著者 コウノトリ生殖医療センター

赤ちゃんのベッドは快適ですか?子宮内膜の厚さを改善する方法

子宮腔は生殖機能において非常に重要な機能を持っています。胚が着床する場所であり、妊娠後には生命を育む場所という重要な役割を果たします。
不妊症女性の妊娠機能を調べる際、子宮腔の検査は欠かせません。

子宮環境は妊娠率に影響する


不妊治療を行うご夫妻が生殖補助医療(ART)治療を開始する前に、一般的に子宮鏡(H-scopy)検査で子宮内膜に癒着(Synechia)やポリープ(Polyp)ができていないかを
調べます。生殖補助医療医院では良質な胚(Embryo)を培養しますが、移植する場所の環境が良くないと妊娠率に影響を及ぼします。

 

子宮内膜(Endometrium)の厚さも、同じくスムーズな妊娠ができるかの原因となります。子宮内膜が薄すぎる(8mm以下)であると、妊娠しにくくなるだけでなく流産や子宮外妊娠の確率が上がります;子宮内膜が厚すぎると、子宮内膜過形成または病変の前兆の可能性もあります。研究データによると、胚の着床に最適な子宮内膜の厚さは10mm±2mmです。


 

胚移植前に子宮内膜の厚さと環境を整えるにはどうすれば良いか


1.治療過程でエストロゲンの内服期間を延長し、強化する:通常のエストロゲン剤の内服で子宮内膜の厚さを目標の厚さに到達させることが難しい場合、
医師の判断により他の経路でエストロゲンを補充させることがあります。
例えば、ディビゲル(Divigel)で皮下から吸収、プレマリンクリーム(Premarin Cream)で膣から吸収させるなどにより子宮内膜を厚くします。


2.排卵刺激:排卵誘発で卵胞の成長を誘発する過程で、排卵誘発注射と排卵誘発剤の内服により血中のエストロゲン濃度を増加させて子宮内膜を厚くします。


3.バイアグラ(Viagra):男性の勃起機能障害治療に加えて、バイアグラは子宮の血液循環を促進し、子宮内膜を厚くすることができると医学雑誌によって実証されています。
その作用機序は、一酸化窒素により血管拡張機能を強化することで子宮内膜の血液循環を改善し、妊娠率を高めます。


4.免疫療法:低用量アスピリン(Aspirin)などの非ステロイド性抗炎症剤、免疫グロブリン静注療法(IVIG)やヘパリン(Heparin)による免疫製剤など、
このような薬剤で子宮内の局所的な血液循環を増加させて胚の着床率を高めます。


5.多血小板血漿(PRP)注入療法:自信の血液を使用して血小板を分離し、さらに血小板に含まれる成長因子:VEGF/Vascular endothelial growth factor; PDGF/platelet derived growth factorなどを
抽出したものを子宮腔内に注入します。それにより子宮内膜の成長を促進させ、目標となる厚さまで子宮内膜を厚くします。

 

現在の医療分野において不妊症で克服すべき最も重要な問題は、胚着床(Implantation)です。
薬物療法により子宮内膜の厚さを増加させることは可能でも、子宮疾患により内膜を厚くできない患者様では治療に限りがあります。
子宮の問題によって胚が着床できなかったり、胚の発育継続が困難な場合は、代理出産が適応となります。
ですが、現在台湾では代理出産は法律上認められておらず、海外での援助を求めるしかありません。

 

もし早めに子宮内膜の問題が分かっていれば、適切な時期または人工生殖治療に入る前に、薬物補助により子宮内膜状況を改善でき、
胚の着床率と妊娠率を高めることができるでしょう。

 

コメント

 

 

頼興華 医師

 

1.子宮内膜の厚さがどのくらいあると着床に適するでしょうか?最も理想的なのは10~15mmで、厚すぎても薄すぎても良くありません。
ですが、一番薄くてどのくらいで妊娠できるでしょうか?6mmで妊娠できた例がありますが、私の経験上少なくとも7㎜以上あることが望ましいです。
子宮内膜の厚さが着床の鍵ではなく、もし良質な胚を適切なタイミングで移植すれば妊娠率はとても高くなります。この点、卵子提供(OR)では胚の質や移植のタイミングなど沢山の要素を考慮する必要があります。


2.子宮内膜が薄すぎるとどうすれば良いのか?一般的にはエストロゲン補充により、内服(Premarin)、貼付剤(Climara)、注射(Robal)、時にはアスピリンとバイアグラ(Viagra)膣剤を組み合わせることもあります。比較的治療が難しいのは、子宮内膜が薄すぎると卵巣機能不全(DOR)を伴うことがあります。子宮内膜細胞も同時に機能低下し、多量のエストロゲン治療を行っても内膜増殖に繋がりません。


3.コンサルタント一同の臨床問題の共有に感謝します。知識の共有により共に成長できることを嬉しく思います。

 

 

コウノトリ生殖医療センター

 

胚着床(IMPLANTATION)の問題は、不妊症で克服すべき最も重要な問題の一つです。
薬の補助で子宮内膜を厚くすることはできますが、子宮疾患により子宮内膜の増殖が不可能な患者様にとっては治療に限りがあります。

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。