台湾では卵子提供は合法なのでしょうか?

台湾は国の管理下で卵子提供、精子提供が行われています。関連する法律についてご紹介いたします。

2017-09-28

著者 コウノトリ生殖医療センター

台湾では卵子提供は合法なのでしょうか?

 台湾の卵子提供/精子提供に関わる各種法律について

近年、卵子提供や精子提供治療が受けられる病院や治療の実施を許可する国家が増加傾向にあります。
ですが、運用が個々の病院任せになっているために、或いは法律が整備しきれていないがために、しばしば問題が発生しています。

Q1:台湾では卵子提供は合法なのでしょうか?
台湾の卵子提供は合法です。2007年に公布された人工生殖法により政府の管理下で合法に精子、卵子バンクの運用及び精子、卵子提供の治療が行われています。

Q2:自分の姉妹や兄弟、或いは友人のドナーになる事は可能でしょうか。
台湾の人工生殖法ではドナーとレシピエントの双方は互いを知ることができない匿名性を取っています。対象を指定してドナーとなることはできません。

Q3:ドナーの情報はどこまで知ることができますか?写真を見ることはできますか?
台湾ではドナーの人種、皮膚の色、血液型を確認することが可能です。それ以外の情報はお伝えしておりません。

Q4:ドナーの精子、卵子、胚を国外に持ち出すことは可能でしょうか。
人工生殖法の規定により、ドナーの細胞を国外に輸送することはできません。

Q5:独身ですが、卵子提供を受けることは可能でしょうか。
人工生殖法の規定により、卵子提供を受けるには必ず法的な婚姻関係を結んでいる必要があります。

Q6:卵子提供と精子提供を同時に受けることは可能でしょうか。
人工生殖法の規定により、卵子か精子いずれか一方は、ご夫婦のものを使用する必要があります。精子と卵子の提供を同時に受けることはできません。

卵子提供 台湾&日本
 

台湾

日本

法律

整備されている

関連法規なし

出自を知る権利

告知は自由

15歳以上で希望があった場合は

告知が必要

対象

高齢や不妊症

不妊症のみ

ドナー

匿名による提供

姉妹、親族、あるいは友人から自身で捜索

 
以下は人工生殖法の卵子提供について定められた部分です。ご参照ください。

定義
第2条-五、提供者/非配偶第三者、とは治療を受ける夫婦に無償で精子や卵子を提供する人をさす。
第6条、医療機関は監督機関から許可を受けた後、生殖補助医療の実施や第三者配偶子の受領、保存、治療を希望する夫婦への提供を執行することができる。
公益法人は監督機関から許可を受けた後、生殖補助医療の実施や精子の受領、保存、治療を希望する夫婦への提供を執行することができる。

ドナーとレシピエントの健康検査
第7条、生殖補助医療機関は生殖補助医療を実施、あるいは第三者配偶子の提供を受ける前に、治療を受ける夫婦と提供者に以下の検査と評価を実施する。
一、一般的な心理と生理状態。
二、家族の病歴。本人と四親等内の親族の遺伝子疾患の記録を含む。
三、遺伝子疾患と伝染性疾患。
四、監督機関に公告された事項。

ドナーの条件
第8条、生殖補助医療機関は以下の条件に合う提供者から配偶子の提供を受けることができる:
一、男性は20歳以上、50歳未満;女性は20歳以上、40歳未満。
二、前の規定により実施する検査と評価の結果に適切な応募者。
三、無償で提供する。
四、 第三者配偶子の提供を一度もしていない人、あるいは提供したが出産にいたらず、現在配偶子の保存をしていない人。
治療を受ける夫婦は上級組織が規定する金額範囲以内において、生殖補助医療機関を通じて提供者に補助金と栄養品を提供して、検査、医療、給与損失と交通費を負担することができる。
第9条、生殖補助医療機関は第三者配偶子の提供を受ける際に、提供者に関わる権利と義務を説明して、提供者の理解と同意書を取った後、配偶子の提供を受けることができる。

生殖補助医療機関は第三者配偶子の提供を受ける際に、以下の項目を記入する:
一、提供者の氏名、住所、身分証明書及びパスポート番号、生年月日、身長、体重、血液型、肌の色、髪の色と人種。
二、提供の項目、量と日付。
第10条、生殖補助医療機関は、同じ提供者の配偶子を二組以上の夫婦に提供することは禁止とする。第三者配偶子を受けた夫婦が妊娠、出産した後、その提供者が再度配偶子を提供することは禁止とする。また、第三者配偶子を受けた夫婦が出産に成功すると、残りの第三者配偶子は廃棄されることになる。
第12条、第三者の精子提供を受ける夫婦は夫の同意書を取った後、第三者の卵子提供を受ける夫婦は妻の同意書を取った後、医療機関は生殖補助医療を執行することができる。

匿名による第三者配偶子の提供
第13条、医療機関は生殖補助医療を実施する際に、治療を受ける夫婦の要求により特定の提供者の配偶子を使用することは禁止する。提供者の要求で特定の夫婦に第三者配偶子を提供することは禁止する。医療機関は治療を受ける夫婦に提供者の人種、肌の色と血液型を提供する必要がある。
第14条、医療機関は生殖補助医療を実施する際に、治療記録を保存することが必要です。治療記録は以下の項目を含む:
一、治療を受けた夫婦の姓名、住所、身分証明書及びパスポート番号、生年月日、身長、体重、血液型、肌の色と髪の色。
二、提供者の身分証明書及びパスポート番号と医療機関の診療記録番号。
三、生殖補助医療を実施する時の状況。
医療機関は治療を受けた夫婦の求めにより前列の医療記録のコピーを提供する際に、第二項の情報を含めることは禁止とする。
第15条、第三者配偶子を使用する生殖補助医療は、以下の親族間の卵子と精子を受精することは禁止とする。
一、直系血族
二、直系姻族
三、四親等以内の親族

その他
第19条、第三者配偶子を提供した後、提供者は返還を要求することはできない。しかし、医師の診断や証明を通して自身の生殖機能障害が認められた場合に、まだ処分されない第三者配偶子の返還を要求することができる。
第20条、第三者配偶子の提供を受ける生殖補助医療機関は、提供者の同意書を取った後、他の生殖補助医療機関に移転し、生殖補助医療を実施することができない。
第21条、生殖補助医療機関は以下の条件に合う提供者の第三者配偶子を処分する:
一、第三者配偶子を受けた夫婦が出産。
二、配偶子の保存期間が十年経過。
三、生殖補助医療で利用することが不適切な状況。
生殖補助医療機関を廃業する場合には、保存の配偶子或いは胚を処分する。しかし、提供者は書面による同意をもって、提供者の配偶子を他の生殖補助医療機関に転送することができる。
第22条、人工生殖法により、提供者の配偶子、治療を受けた夫婦の配偶子と胚は、生殖補助医療機関で生殖補助医療以外に使用することはできない。
第23条、婚姻関係継続中の妻の卵子と、夫の同意を得た後に提供を受けた提供者の精子で生まれた子供は、夫妻二人の子供と法律で認められる。しかし、同意が詐欺や脅迫により行われたことを夫が証明できる場合は、6ヶ月以内に否認の訴状を提出することができる。
しかし、子供が3歳になった後に否認の訴状を提出することはできない。

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卵子提供

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。