染色体異常であるターナー症候群の私は どうすれば母親になれますか?

夜遅く、隣で無意識に眉をひそめながら笑みを浮かべ寝ているあなたを見ていると、一日の疲れが飛んでいきます。 私はただあなたのプニプニした顔に何度もキスをして、どんなにあなたを愛しているか伝えたいのです。今までの辛い道のりを思い出すと、本当に頑張ったと思いますし、今も治療に臨まれている皆さんに私の経験を分かち合いたいと思います。皆さんには、ただ頑なに思い続ければ素晴らしい出会いに巡り合えるということをお伝えしたいです。

2020-10-01

染色体異常であるターナー症候群の私は  どうすれば母親になれますか?

夜遅く、隣で無意識に眉をひそめながら笑みを浮かべ寝ているあなたを見ていると、一日の疲れが飛んでいきます。
私はただあなたのプニプニした顔に何度もキスをして、どんなにあなたを愛しているか伝えたいのです。今までの辛い道のりを思い出すと、本当に頑張ったと思いますし、今も治療に臨まれている皆さんに私の経験を分かち合いたいと思います。皆さんには、ただ頑なに思い続ければ素晴らしい出会いに巡り合えるということをお伝えしたいです。

夫と結婚して3年、インターネットに載っているあらゆる方法を試し、毎月期待しては失望を繰り返していました。2015年10月に正式に体外受精の治療を開始しましたが、まさか開始当初から大きな衝撃を受けることとは思いもしませんでした。 
一般的な超音波検査を受けた日のことです。 簡単な検査必須項目だったので、特に心配することもなかったのですが、時間が経つにつれ医師の表情が険しくなるのを見て、何か問題があるのだろうと悟りました。「あなたの卵胞の数は両側合わせて片側分しかありません。まだ若いのだから、AMHと染色体の検査をしましょう!」との一言で初診を終え、その後、AMHの検査結果では0.07(閉経値に相当)、染色体検査にも問題があることが分かりました。こんなに子ども好きなのに、子どもとは縁がない人生を送る運命にある可能性があるのだと思い、検査結果報告書を受けとった私は車の中で泣きました。 夫は私をとても愛してくれています。 夫に今回の結果を伝えると、それは君の健康状態に影響するのかと聞き、私は大丈夫だよと答えると、彼は「じゃあそれでいい。君がいる今の人生で満足している」と言いました。 やっと涙が止まっていた私でしたが、その夫の言葉を聞いて再び感情を抑えることができませんでした。 希望の糸が少しでも見える限り、どんなに辛くても頑張ることを誓い、その後、北京の個人・市の体外受精の病院を受診し、二度の子宮鏡検査と卵管造影検査を受けることにしました。 卵胞を確認するために毎月注射を打ち、採卵できる機会があれば採卵手術を行います。2年の月日が経ち、どれほど注射を打ったか、どれほど採血をしたか。ただ記憶にあるのは、採血をした両腕の血管があざだらけになり、看護師はそれ以上針を入れることができないほどでしたが、私はただ歯を食いしばり続けたことです。 長い治療でしたが移植できたのはたった2個の胚、14日間の苦しい時間は早期流産という結果に終わりました。このままではだめだと思い、卵子提供を受ける道を選ぶことにしたました。私も当初そうだったように、卵子提供を受け入れることができない方はたくさんいると思いますが、年齢が上がるにつれ卵胞の質は低下していきますし、私のように自分の身体に問題がある方にはこれが最後の道ともいえるでしょう。

インターネットで卵子提供についてたくさんの情報を検索して問い合わせ続けましたが、見れば見るほど躊躇しました。情報に振り回され、実際に経験をしたことがない分、なかなか一歩を踏み出せずにいました。インターネットで台湾コウノトリ生殖医療センターに関する情報を見つけましたが、海外のクリニックということで距離が離れすぎているため、初めは特に気に止めていませんでした。そんな時、友人の一人も同じく遺伝子的な問題のために台湾での卵子提供を模索していると聞き、話しているうちにコウノトリ生殖医療センターの話題になりました。彼女の友人がすでにコウノトリで治療を受けていて、あのクリニックはとても良い、成功率が特に高く、ほとんどの方が90%の確率で一度で成功していると聞きました。 彼女は私をコウノトリグループラインに入れてくれたときは、長い長い間暗闇の中で彷徨っていていた私に突如光が差し込んできたかのようで興奮しました。 そして毎日グループラインで広げられている様々な議論や赤ちゃんの写真を見て、私も治療開始することに決めました。

2017年9月にコウノトリにメールを送ると2日目に電話がありました。連絡をくれたのは親身になってくれるJoanna。 聴き心地の良いとても柔らかな声で、私が話す今までの治療歴に深く耳を傾け、励まし、自信を与えてくれました。私の細かな質問にも全て答え、全ての不安を拭い去ってくれたことで、緊張もほぐれ、温かい気持ちになりました。その後もJoannaとメールで連絡を取るようになり、台湾に行く全ての手順と注意事項を一つ一つ丁寧に教えてくれたので、不安な気持ちは全くありませんでした。予定通りに10月に結婚公証の手続きを行い、台湾に行くための様々な手続きを始めました。 北京は個人旅行もできるため、後は月経が来るのを待つのみです。元々月経周期は規則的でしたが、11月は思わぬことに月経がなかったため、私はとても不安になりJoannaとメールで連絡を取り続けていました。彼女は私に、焦らないでゆっくり待てば大丈夫と言い、親身に気を付けた方が良いことなどを教えくれました。病気を診てもらったり医師と話をしているとは感じず、友人のようにその時々の気持ちを汲み取ってくれ、専門的なアドバイスももらえたので、本来の不安や苛立ちの気持ちを解消することができました。

12月中旬にようやく月経が再開し、初診を迎えました。コウノトリに来た時の第一印象は、環境・サービス・専門性の全てにおいて素晴らしく驚いたという点です。 タクシーを降りたその瞬間からコウノトリのスタッフ皆が率先して案内してくれ、担当者が当日の全行程に付き添ってくれました。医師は優雅でハンサム、優しく親切で、私達の経過と病歴を細やかに分析し、私たちの意見もきいてくれ最終的な計画を教えてくれました。そして移植時のリスクを予め排除できるよう、初診時に子宮鏡検査と卵管造影検査を行うことになりましたが、北京で体外受精治療を何度も行ってきましたが、冷たい手術台に横になると、いつものように緊張してきました。

その様子を見たコウノトリのスタッフが治療中私の手を握り、更には痛みを感じたときは強く握っても大丈夫ですよとまで言ってくれ、感動で泣きそうになりました。 看護師も採血時に「ごめんなさい、少しチクッとしますね。」と優しく声掛けしてくれました。 検査の結果、子宮内の環境はとても悪く、ポリープと子宮筋腫が見つかったため、北京に戻って治療してからまた移植を進めましょうと医師がアドバイスをしてくれました。コウノトリ生殖医療センターは移植前に失敗の原因になりうる可能性のある全ての障害を取り除いてくれます。北京に帰国してからもう一度子宮鏡手術を受けた1ヵ月後、早速ドナーが見つかったとメール連絡が来ました。 2018年3月にドナーが採卵周期に入り(現在はすべて卵子バンクによる提供、マッチング時にはすでにドナーは採卵済み)、採卵した20個すべてが受精し、そのうち胚盤胞になった14個の写真を見て、私は嬉しくて言葉も出ませんでした。その後、1個はPGS検査済みの5BB、もう1個はPGS未検査の5BCの胚盤胞2個を移植しました。(現在はPGSで正常胚と判明したものは1つのみの移植)移植の14日後には、胎嚢と心音確認ができ、順調に妊娠7週目が経過しているとの嬉しい結果となりました。待望の赤ちゃんが私のお腹の中で育っていきましたが、残念なことに妊娠5ヶ月の胎児スクリーニングで口唇・口蓋裂との診断を受けました。私はひどく落ち込み、Joannaにメールで連絡するとすぐに電話が来て、さらに医師が当日の夜に電話をかけてくれるよう調整してくれました。医師とこの赤ちゃんを育てていくかどうかについて長く話したことを今でも覚えています。最終的には、どのような決断をしても絶対に後悔しない決断をするようにと伝えてくれました。このまま赤ちゃんを育てていき、この子と共に困難な時を乗り越えていくか。赤ちゃんを下ろしても、次は健康な赤ちゃんが私の元に戻ってきてくれることを信じて待つか。一人の医師がこんなにも真剣に私の心の声を聴いてくれ、とても心強かったです。 2018年11月、私と夫は泣きながらその赤ちゃんとお別れをすることにしました。この子がこの世に生まれて白い目で見られ、嘲笑されることが心配だったのです。 医師と十分な話し合いをした後、2019年4月に2度目の移植周期を迎えました。そしてその14日後、再び順調に妊娠したことが分かり、2019年12月に健康な赤ちゃんを出産することができました。今もこの子は私の隣ですやすやと眠りについています。医師を信じた通り、私の赤ちゃんは戻ってきたのです。私の治療歴や経過を知っている人は皆、治療は難しいだろうと言っていましたが、私を愛してくれる夫に出会えたこと、コウノトリ生殖医療センター・医師・Joannaに出会えたこと、コウノトリ生殖医療センターを勧めてくれた友人に感謝しています。そして、私をママに選んでくれた赤ちゃんに感謝しています。


コメント


1、ご夫妻は結婚後、赤ちゃんがやってくるのを心待ちにしていましたが、いつも失望に終わっていました。染色体検査で奥様が染色体異常(45,XO)であるターナー症候群であることが判明。さらに31歳の彼女は早発閉経に直面し、体外受精を試みましたが、自身の卵子で妊娠することが困難となっていたため、ご夫妻は卵子提供へ進む路を変更することにしたのです。

2、ご主人の深い愛情と彼のために新しい命を育むため、奥様は毎回メールや電話でとても穏やかながらも、しっかりとした強い意思を持っておられました。また当院と出会ったことで、更に赤ちゃんが欲しいという気持ちが沸き上がったのです。 1回目の移植後は妊娠した喜びを噛み締めていましたが、妊娠5ヶ月目で胎児が口唇裂であることが判明し、悲しみの中で短い運命に別れを告げました。その後の妊娠で私の中で深く印象に残っているのは、奥様はいつも経験してきたことに感謝しておられ、私たちにも彼女が妊娠したことを感謝してくれていたことです。このような諦めない前向きな考えが、2回目の移植で健康な赤ちゃんを授かることにつながったのだと考えています。 また彼女が送ってくれた可愛い赤ちゃんの写真を見るととても嬉しく、今まで通ってきた全ての過程に価値があったのだと感じています!
 

 

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。