信じて飛び立ち、卵子提供で夢をつかむ
治療を始めたのが遅かった私たちにとっては、とても辛い道のりでした。しかし卵子提供を受けることにより、その険しい道のりは平たんなものとなったのです。
2019-07-19
送子鳥診療所でお世話になり、2回目の移植で妊娠し現在10週目になりました。出血も数回あり安心はできない状態ですが、ここまでこられたことに感動しています。
40歳過ぎての結婚でかなりスタートが遅かったのですが、できる限りのことはしようと日本で不妊治療を始めました。しかし、高齢で良い卵子が採れず苦戦していました。そんな折、日本の先生から、台湾で卵子提供を受ける方法があると勧められました。自分で産める最後のチャンスではと前向きな気持ちでした。
夫も乗り気で、私の気持ち次第という感じでした。他人の卵子ですから「愛せるのか」という心配もよぎりました。でも、夫の子であり、私のお腹から生まれてくるという点ですぐに決意できました。これまでの妊活で決断が遅く後悔することもありました。今回は後悔したくないと思い、紹介していただいたCさんへすぐにメールしました。
信頼する日本の先生が太鼓判を押されていた機関でしたので、あまり不安はありませんでしたが、すぐに「初診をなるべく早く受けられるように」との返事がきて大変安心しました。初めのメールから約1か月半後、初診を受けました。外国の病院は初めてで緊張していましたが、建物の中に入ると、やわらかな絵画や彫刻などが至る所に飾られ、清潔で明るくかつ静かでゆったりとしていてとても落ち着きました。
Cさんが当日つきっきりで対応してくださり、言葉の面も全く心配いりませんでした。Cさんはメールでの印象通り、親切で聡明で落ち着いた方でした。なにより治療に関して豊富な知識をお持ちで、何を聞いてもすぐに答えてくださり、こちらが気付かないことを逆に尋ねてくださることもあり、非常に頼りになります。移植の時はまた別の方がついてくださいましたが、その方々も日本語が堪能で、明るく、雑談をしたり「大丈夫ですよ」と励ましてくださったり、私の緊張を解いてくださいました。
主治医の賴先生も柔和な方で、「妊娠できますよ」と力強く言ってくださり、安心して治療を始めることができました。日本で検査を受けその結果をメールで報告すると、すぐに服薬や移植の日の指示がありました。そうした迅速な対応やスタッフの方々の誠実な姿勢、設備、どれをとっても素晴らしく、先生やスタッフの方々の言葉は気休めではなく、これまでの実績や高い技術に基づくものであると信じることができました。
まだ出産に至っていませんが、どのような結果になろうと感謝の気持ちは変わりません。賴先生、Cさん、送子鳥診療所の皆様本当にありがとうございました。
コメント
- この患者さまは妊娠10週目でこの体験談を寄せてくださいました。きっとこれまで大変苦労されたからこそ、現在も治療を頑張る方たちに向けて、ご自身の想いを届けたいと思ってくださったのでしょう。文章からは感動と当院、そしてドナーさまに向けた感謝を感じることができます。またドナーさまへ向けた感謝のお手紙も送ってくださいました。
- 初めてお会いした時、少し緊張されていたのを覚えています。笑顔はほとんど見られませんでしたがお話すると、せっかくだから台湾観光して美味しいものを食べたいと話してくださいました。そんな話を受け初診後、一緒にタピオカミルクティーを飲みに行くと満面の笑みを浮かべてくれました。その笑顔が一番印象的です。
- 現在、日本での卵子提供治療は多くの制限があり、その基準も非常に曖昧なため、日本で卵子提供を受けるのは非常に困難というのが現状です。そのため日本の医師から台湾で卵子提供治療が可能と伝え聞くと、大海原に木が浮いているかのように希望を持ち、命の素晴らしさを再度感じるのです。
当院は、日本のご担当医さまが望むお気持ちに負けないくらい、皆さまのご成功を切に願っています。
- 当院での治療記録
成熟卵子 | 正常受精 | 胚盤胞 | 移植 | 結果 | ||
---|---|---|---|---|---|---|
個数 | 20 | 17 | 12 | 1回目 | 培養5日目 4AA |
陰性 |
2回目 | 培養5日目 4AB+4AC |
現在順調に妊娠中 |
*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。