移植後に気を付けるべきこととは

胚移植後はベッドで安静にしている必要がありますか?どのくらい安静にしていればいいでしょうか?安静にする時間の長さは妊娠率に影響するのでしょうか。

2022-08-02

移植後に気を付けるべきこととは

胚移植は体外受精治療の最後のステップです。
移植後、結果を待つまでの期間は非常に辛く、心身ともに負担の大きい時間となります。
何をすれば妊娠につながるのか、どのようなことが結果に影響するのかなど、さまざまなことを考えてしまうものです。

しかし、特別なことではないにもかかわらず、実は最も大切で実行するのが難しいのは「普段どおりの生活を送ること」です。気持ちをできるだけリラックスさせ、バランスの取れた食事を心がけ、規則正しい生活を送ることが重要です。

普段どおりの生活を送ることが基本となるため禁忌事項は多くありませんが、外来でよくご質問をいただく点をまとめましたので、ご参考になさってください。
 

Q1.移植後は安静にする必要がありますか?


2019年に発表された文献(Arch Gynecol Obstet. 2019 Nov;300(5):1121-1130.)では、5つのランダム化比較試験(RCT)を行った結果、移植後すぐに活動しても体外受精の成功率には影響しないことが示されています。
そのため移植後、ベッドで安静を保つことは基本的に不要で、普段どおりの生活や、無理のない範囲での適度な運動は問題ありません。
ただし出血がみられる場合には、主治医と移植後の過ごし方についてご相談ください。
 

Q2.特に摂取したほうがよい栄養補助食品はありますか?


移植後は葉酸の補充がお勧めです、1日400μgを目安に摂取してください。
妊娠が成立した場合、葉酸は赤ちゃんの神経管の発達を助ける働きがあります。そのほかの栄養補助食品については、過度に多く摂取する必要はなく、基本的にはバランスの取れた食事を心がけてください。

 

Q3.胚移植後の服薬で注意することはありますか?


移植後の状態は一人一人異なりますので、服薬については必ず主治医の指示に従ってください。
不妊治療はそれぞれ個人の状況・状態に合わせて行われる治療であるため、自己判断で薬の内容や量を変更することは避けてください。また、ほかの体調不良で医療機関を受診する場合には、妊娠の可能性があることを必ず医師にお伝えください。妊娠中でも使用可能な薬剤を選択するために重要です。
 

Q4.移植後にCOVID-19に感染した場合はどうすればよいですか?


移植後にCOVID-19と診断された場合の対応は、一般の患者さんと大きな違いはありません。
移植後に処方されている薬は継続しつつ、COVID-19による症状の経過を観察してください。

新型コロナウイルス感染症は、多くの場合が軽症で、十分な休養により自然に回復します。自宅療養中は、こまめな水分補給を心がけ、できるだけ安静に過ごし、症状の変化を注意深く観察してください。
息切れや呼吸困難、持続する胸痛や胸部圧迫感、意識障害、皮膚・唇・爪床のチアノーゼ、発熱がない状態(体温38℃未満)で心拍数が毎分100回を超える、食事・水分・服薬ができない、それまでの24時間尿が出ていない、または尿量が著しく減少しているなどの症状がある場合は、速やかに医療機関を受診してください。

 

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。