卵子提供 海を越えて迎えた生命
10回以上の採卵、度重なる胚移植、そして一度の流産を経験し「もう母になる夢は諦めるしかない」と思い詰めたこともありましたが、幾度もの挑戦と失敗を乗り越えた末、卵子提供という新たな選択肢に希望を託しました。 そしてついに...揺るがぬ決意と勇気が実を結び、待ち望んだ新たな命を迎えることができたのです。 この旅路は、彼女にとって「最も勇敢な決断」となりました。
2025-08-11

揺るがぬ決意と勇気
40歳前半の時に結婚し、すぐに妊娠や出産に際して異常がないか日本の不妊治療専門病院に検査に行きました。
AMHはとても低く右の卵管も閉塞気味で卵管鏡下卵管形成術も受けました。それでもすぐに自然に妊娠し出産出来ると思ってました。
それからはタイミング、人工授精、体外受精と進んでいき採卵も10回以上実施し胚移植も何回も受けました。1番最初の採卵時は5個で3個程凍結し1個ずつ胚移植してましが、その内1回の移植で2個、3個と移植するようになりました。
最後の胚移植と思い3個を胚移植して初めて妊娠しましたが、7週で胎嚢は確認出来たもののそのまま流産となりました。その後ももう少し次の誕生日までと思い治療を続けましたが、医師から今後のお金の事もあるしこの辺りでやめた方が良いという事になりました。私もさすがにこれ以上継続しても難しいだろうと考え治療を終了しました。
コウノトリとの出逢い、湧き上がる希望

もう2人の生活でと考え1年半ちょっと治療はせず生活していました。でも色々考えるうちにやはり子供が欲しいと思い、養子縁組も考えインターネットで検索したり直接電話で施設に確認したりしましたが養子縁組は両親共に45歳以下でないと難しいことが分かりました。
それで不妊治療の病院に通院時から卵子提供がある事は治療当初から知ってましたが、自分がその方法を選択する事はないだろうと思っていました。
でも自分のお腹で育つ事には違いがないので、コウノトリとオンラインで面談し治療について説明を受ける事にしました。日本人の方から説明を受けるので治療の流れや疑問点も細かく確認する事が出来ました。
最短で初診と胚移植の2回渡航で受けられるので、日本で検査出来るものは全て検査し日本で不可の検査に関してのみ台湾でする事にしました。
卵子提供、航海の旅へ 海を越えて迎えた生命
初診は夫と2人で渡航し午前中から始まり書類等の全ての手続きも夕方までには終了しました。
台北の病院は綺麗ですし現地の患者さんも沢山受診されてました。言葉が通じなくても日本人スタッフの方がずっと付き添ってくれますので安心でした。
帰国後もスムーズに提供者の情報が送られて来て、初診から半年後に移植へと進みました。
BB級の胚が2つ出来てPGT-A検査で2つ共正常胚でした。
移植は1人で渡航し日本で判定の採血をしましたが着床はしてたもののHCG数値が低く妊娠継続しませんでした。絶対に1回でうまく行くと思ってただけに
結果にびっくりしましたが、何とか正常胚ラスト1個でうまく行く様に気持ちを切り替えました。
その後すぐに渡航したかったのですがめまいや体調が優れないなど2回目の渡航は7ヶ月後になってしまいました。その間焦りもありましたが体調万全に臨めば上手く行くと思い、無事に着床しHCGの値も良くほっとしました。
日本でも卵子ドナーからの提供という選択があればもっと年齢が若いうちに切り替えられたと思います。目一杯お金を使い治療してからの渡航だったので早い段階で決定出来ていたら台湾での治療代に充てられたのになと思うと残念です。
とにかく今後も順調に妊娠継続することを祈ります。
ドナーの方、コウノトリの皆さんありがとうございます。
コメント:
- この患者さまのこれまでの経緯は、心を打たれるものでした。数えきれないほどの採卵手術と移植を経て、一時は養子縁組も考えるまでに至り、最終的に卵子提供を選択されたことは、強い意志とお子さんへの深い願いの表れです。
その過程では何度も失敗や長い待機期間を経験されながらも、決して諦めることなく、勇敢に向き合い続けた姿は本当に尊敬に値します。
今回の妊娠が順調に進み、長年の願いが叶えられることを心より願っています。そして、今後も不妊に悩むご夫婦にとって、より多くの選択肢と機会が広がっていくことを期待しています。
- 海外で11回の不妊治療不成功 ‐ 当院で成功した理由とは
移植 | 1回目 | 2回目 |
---|---|---|
移植 | 1回目 | 2回目 |
胚盤胞 | 1個 | 1個 |
PGT-A/PGS | 培養5日目/5BB 染色体正常 |
培養5日目/5BB 染色体正常 |
ERA | 未実施 | 132時間(日本で検査実施) |
結果 | 不成立 | 12週を過ぎ当院を卒業 |
*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。