小さな子宮で育む大きな愛

当時の担当医は彼女の子宮は一般よりも小さいと診断しただけでした。結婚後は3年間、積極的に妊娠を試みましたが、3回の移植に失敗。その後、友人からの紹介により夫婦は高雄から新竹院を訪れ、そこで「単角子宮」が判明しました。

2024-06-25

小さな子宮で育む大きな愛

4年前、他の病院で検査を受けた際、当時の担当医は彼女の子宮は一般よりも小さいと診断しただけでした。結婚後は3年間、積極的に妊娠を試みましたが、3回の移植に失敗。その後、友人からの紹介により夫婦は高雄からコウノトリ新竹院を訪れ、そこで「単角子宮」が判明しました。

まず、基本的な妊娠能力に関する検査を行い、その後、体外受精の治療に進みました。卵子の数が少なかったため、「卵子収集法(複数回の採卵手術を行い卵子を集め、一度に受精・培養を行う方法)」を採用し、できるだけ多くの胚を得ることを目指しました。その結果、18個の5日目以降の良好胚を得ることができましたが、採卵手術の際に実施した子宮鏡検査では、子宮が小さく単角子宮の疑いがあり、後に行った卵管造影検査で、片方の卵管しかないことが確認され、「単角子宮」であることが判明しました。

夫婦は高雄から通院していたため、治療の合間も高雄、台南、新竹を行き来する日々でした。しかし、物理的な距離よりもさらに大きな困難が彼らを待ち受けていました…。
 

この得難い生命を守り抜くために


採卵手術から単角子宮の診断に至るまで、多くの良好胚が得られたものの、通常よりも小さな子宮を目にするたびに、不安や心配は尽きませんでした。順調に移植が成功し妊娠した喜びも束の間、単角子宮では二人の赤ちゃんを同時に育むことができないという現実に直面しました。

13週目の絨毛膜検査後、減胎手術を決断。その数週間後には子宮頸部縫縮術を行い、さらに妊娠初期には血栓治療の調整も行いました。どの一歩も慎重に進めながら、この得難い生命を守り抜くために最善を尽くしました。

試練の数々を乗り越えたのです。

振り返れば、多くの人に感謝せずにはいられません。健康で力強い胚を育ててくれた培養士のおかげで、この小さな子宮腔でも赤ちゃんはしっかりと成長し、2880gの健康な赤ちゃんが生まれました。また、その後の産科医師の適切なケアのおかげで、減胎手術や子宮頸部縫縮術も無事に乗り越えられました。そしてその過程を常に温かく寄り添ってくれたコンサルタントのサポートにも心から感謝しています。


 

彼女たちは治療の過程で数々の困難に直面しましたが、その笑顔と前向きな姿勢は最後まで失われることがありませんでした!

私たちは彼女たちの生命の旅路におけるほんの小さな参加者に過ぎません。それでも、今こうして幸せな家族の姿を目にできることを本当に嬉しく思います。
 

単角子宮とは?不妊の原因になるのでしょうか?


「単角子宮」とは、女性の生殖器官の発育異常によって子宮の形態や構造に異常が生じた状態を指します。この状態では通常、一方の卵管と卵巣しか持たず、子宮腔内は通常の子宮よりも小さく狭いのが特徴です。そのため、妊娠率が低下し、着床に影響を及ぼすことがあります。

妊娠初期は流産しやすく、妊娠後期には早産のリスクが高まるほか、胎児の成長遅延や奇形といった問題が生じることもあります。そのため、胚移植後から妊娠期間中は継続的な観察が必要となり、胚が順調に成長し発育することを確認していくことが重要です。



 

研究によると、単角子宮の発生率はおおよそ4000人の女性に1人の割合で見られるとされています。そのうち、単角子宮を持つ女性の不妊率は約23%、流産率は約35%、早産率は20.1%、さらに10.5%のケースでは残念ながら子宮内で胎児が死亡する可能性があるとされています。現在、単角子宮の診断には、3D超音波検査の一部、MRI(磁気共鳴画像法)、子宮鏡および卵管造影検査を組み合わせて行うことが可能です。

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。