8年越しの想い 卵子提供とERA検査が成功のカギ

この8年間で、1回の人工授精と8回の体外受精を経験し、2回は妊娠に成功したものの、不幸にも流産してしまいました。最後に「卵子提供」という選択肢を考え、ERA検査も併用することにしました。道のりは決して平坦ではありませんでしたが、コウノトリを信じ、そして何よりも手に抱く愛を信じ続けて…

2024-04-17

8年越しの想い 卵子提供とERA検査が成功のカギ

私と夫は親戚の紹介で知り合いました。お互い晩婚だったため、結婚後すぐに子供が欲しいと思っていましたが、あっという間に過ぎた1年の間、妊娠の兆しはありませんでした。検査の結果、夫の精子の運動率が低いことがわかりました。私たちは子供が大好きだったため、そこから長い妊活の道が始まり、漢方治療、西洋医学、占いなど、3~4年を費やしましたが、結果は出ませんでした。結婚5年目、私も38歳になり、ある親戚が新竹の「コウノトリ生殖センター」で人工授精を受け、息子を授かったという話を耳にしました。その後、また別の親戚の友人も人工授精で妊娠したことを聞きました。夫婦で話し合った結果、ようやく勇気を出してコウノトリに行くことを決め、医師の検査と評価の後、人工授精を試すことになりました。こうして、初めての人工生殖療法が始まったのです。
 

移植後の流産、再び立ち上がる
 

目にしたのは初めての妊娠検査薬の2本線。妊娠していることが分かりました!私も夫も嬉しさのあまり、目から涙がこぼれ落ちました。しかしその後、胚は成長を続けることができず萎縮してしまい、手術で取り出すことを余儀なくされました。深い悲しみに包まれましたが、私たちは体外受精を試すことを決意しました。胚移植の治療に入る前に私は仕事を辞めることにしたのですが、夫の支えに本当に感謝しています。移植後の結果待ちの期間、彼は仕事で忙しい中、家事も手伝ってくれました。

2週間の長い待ち時間を経て、ついに妊娠判定日がやってきました。再び妊娠検査薬の2本線を見ることができ、移植した3つの胚すべてが着床していました。しかし、多胎妊娠にはリスクが伴うため、医師と相談の上、一人を減胎する決断をしました。その後、毎日慎重に過ごし、なんとか妊娠初期の不調も乗り越えましたが、23週目に原因不明の破水が起こり、お腹の赤ちゃんが感染してしまい、不幸にも流産手術をすることとなりました。赤ちゃんとは縁がなかったのかもしれません。

私たちはしばらくの間、深い悲しみに暮れましたが、子供を持ちたいという願いは心の中でずっと消えることはありませんでした。少し休息を取った後、再び勇気を振り絞り、「コウノトリ」の扉を叩くことにしました。
 

移植のタイミングを確認、ベストなタイミングでの移植
 

特に感謝したいのは培養士でもあるAさんです。私が失敗して落ち込むたび、いつも彼女が励ましてくれたおかげで、悲しみを乗り越え、自信を取り戻すことができました。またERA(子宮内膜容受性検査)の研究者にも感謝しています。ERA検査の存在により、妊娠後に体質が変わり、着床のタイミングが変わることが分かりました。胚移植前にERAを行うことで、成功率を高めることができたのです。

今回の妊娠では、医師の勧めに従い、子宮頸管縫縮術を行い、なんとか25週を乗り越えて出産できました。息子は色々な困難を乗り越えながらも、強く成長しています。彼が勇敢でたくましく育っていく姿を見て、私はこう言いたいです。「パパとママはいつまでもあなたを愛しているよ。すべての苦労は報われた。これからも一緒に頑張ろうね。」
 

8年の試練を終え卵子提供の道へ、サポートに感謝
 

この長い道のりを振り返ると、コウノトリで治療を受け始めてから、年齢の影響で卵子の数が減少していき、最初は12個の卵子から9個の胚を得ることができたのが、その後は8個の卵子から5個の胚へと変わっていきました。そして最後には「卵子提供」を考え、無事に赤ちゃんを授かることができました。この8年間で、1回の人工授精、3回の採卵、8回の体外受精を経験しましたが、私は一度もコウノトリを離れることはありませんでした。それは、コウノトリには素晴らしい環境と優れた医療チームがあり、医師の丁寧な対応や、看護師さんたちの親切なサポート、培養士さんたちの励ましのおかげで、私はここに信頼を置き続けられたからです。

子供を望んでいる夫婦に伝えたいのは、まず自信を持ってくださいということです。胚移植は一つだけで十分ですし、移植前にERA検査を受けることを強くおすすめします。信じて進めば、きっと道は開けるはずです。


コメント:

  1. 当院は科学を信じ、この患者さまは当院を信じ続けてくださいました。自己卵子での妊娠を試みるところから始まり、何度も希望が見えたものの、年齢という現実から何度も失望を経験されたことでしょう。その過程で、身体的にも精神的にも多大なプレッシャーがあったと思います。しかし当院の「心のサポート」も請け負う培養士Angelが心の支えとなり、当院の専門性を信じ続けてくださったことにより、ついに赤ちゃんをその手に抱くことができました。その瞬間の確かな幸福感は、何ものにも代えがたい喜びだったことでしょう。
     
  2. 妊娠率は、胚の染色体が正常である割合と正の相関があります。当院の統計(2020年1月1日~2022年12月31日)によると、40歳以上の女性では、胚の染色体が正常である確率は約20%であり、43歳以上になるとその割合はわずか8%にまで低下します。一方で、卵子提供による胚の染色体正常率は57.5%に達します。このように、時間と費用を考慮した場合、自分自身に対して「自己卵子での治療」の「終着点」を設定し、タイミングを見て「卵子提供」を検討することは、良い選択肢となるでしょう。


     
  3. ERA(子宮内膜着床能検査)は、次世代シーケンサー(NGS)を利用して、子宮内膜の着床能に関連する248種類の遺伝子を分析し、胚移植に最適なタイミングを調べる検査です。スペインの検査機関によると、妊娠中期まで進行したことがある一部の人では、子宮内膜の遺伝子にある程度の変化が生じる可能性があります。そのため再度移植を行う場合は、ERAを再び実施しタイミングを再確認することを推奨しています。

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。