卵子提供で早く夢を実現、考え方を変えればそれが最良の近道になる

「卵子提供」は、多くの人にとって敷居が高い治療法かもしれません。しかし別の視点から考えてみると、もし母になること、健康な赤ちゃんを心から願っているのに、体がそれに応えることができない場合、「卵子提供」は本当に素晴らしい選択肢の一つだと思います。

小さい頃から元気が取り柄だった私は、自分の子宮がこんなにも脆いとは思いもしませんでした。30歳になってすぐ、子宮内は筋腫だらけになってしまったのです。医師は、私の子宮筋腫はぶどうの房のようで、手術時間を延長して処置する必要があると言い、その手術は8〜9時間もかかるものでした。最大の筋腫は約11センチあり、その後は半年ごとに追跡検査が必要となりました。しかし、手術後3ヶ月で再検査を受けると、新しい筋腫ができていることがわかり、それ以来、私は自分が筋腫ができやすい体質であることを知ったのです。
 

子宮筋腫は絶えず、卵巣も衰退することを早く知っていればよかった

若い頃はなかなか良い相手に出会えず、縁が巡ってきたときにはすでに40歳を過ぎていました。そして、卵巣がすでに深刻に衰退していることにも気づかず、夫にあと1〜2年は二人の時間を楽しんでから子供のことを考えようと言っていたほどでした。ある日、突然お腹に激しい痛みを感じ、慌てて救急外来に行くと、検査の結果、腹部に奇形腫があり、それが大きくなりすぎてねじれていることが分かりました。医師は私がまだ子どもを望んでいることを知っていたので、卵巣が壊死していなければ切除はしないと言い、私は心の中で『卵巣よ、どうか壊死無事でいて』と祈り続けました。手術後に目が覚めてすぐ『私の卵巣はまだありますか？』と医師に尋ねると、医師は『幸いにも壊死していなかったので、卵巣は残っていますよ』と言いました。

手術後、半年ほど休んでから夫と相談し、子育てを始めることにしました。まずはクリニックで基本の検査を受けましたが、この医師はタイミング法が第一と考えているようで、私の両側の卵管が詰まっていないこと、そして夫の精液分析結果も正常だと確認すると、「問題ありません！家でしっかりタイミングをとってみてください」と言いました。

そのまま1年が過ぎても妊娠の兆しはなく、病院を替え、別の医師に診てもらうことにしました。今回は不妊症の専門医を受診し、まず血液検査を受けると、その結果はAMH値がわずか0.02というものでした。その時はこの数値がどれほど深刻かも分からなかったのですが、医師は私にできることがないと考えたのでしょう、特に何も言わず、「家でしっかり体を調え、ビタミン類をしっかり摂ってください。その他のことは後で話しましょう」と言うだけでした。
 

卵子提供を受ける前に、まずは体調を整える

自宅に戻り、卵巣機能が深刻に衰退しているために、排卵ができなくなっているのかもしれないと考えた私は、体を整えるために漢方医を受診することにしました。漢方医の下で治療を受け、妊娠に成功した人の話を耳にしたので、自分も同じようにうまくいくことを願い、針灸も漢方薬も頑張って取り入れました。

一年がまた過ぎ、かかりつけの病院でAMHの血液検査を行うと、その結果はわずか0.06でした。この数値では採卵することは非常に困難に違いありません。インターネットで調べると、コウノトリのサイトには、多くの成功者の体験談が掲載されていることが分かり、私はドキドキしながら文章を読み始めました。そして読みながら心の中では、自分より条件が悪いのに成功した症例がたくさん紹介されていることを祈りました。それが、私の妊娠への自信を高めることに繋がるからです。公式サイトの情報が非常に詳細だったこともあり、コウノトリへ相談することに決めました。

思慮を重ね、夫とも相談した結果、「卵子提供」を選ぶことにしました。しかし、その前に自分の体を整える必要があります。なぜなら、この数年の間に、再び子宮内は子宮筋腫でいっぱいになっていたからです。妊娠成功のために産婦人科を訪れ、手術の予約をしようとしましたが、医師からは「この年齢で手術なんてとんでもない、子供のことはもう考えない方がいい。養子を迎えるのも一つの方法です。自分を苦しめるのはやめなさい！」と言われ私の心はひどく傷つきました。

しかし、そこで諦めることはせず、別の医師に相談することにしました。すると、その医師は「手術をして子宮をきれいにしましょう。半年ほど休めば移植ができますよ」と言ってくれたため、すぐに手術の手配をしました。


 

素早いマッチングからの成功、赤ちゃんの外見は問題ではない

半年以上の休養を経て、ついにコウノトリへ「卵子提供」治療の相談を受けに行くと、コンサルタントはとても丁寧に説明してくれ、揃えるべき書類などについても教えてくれました。すべての手続きを終え、マッチングの結果を待っていると、程なくして条件に合う卵子ドナーが見つかったとの知らせを受け取りました。夫と私は胸が高鳴り、すぐに移植の準備を始めました。

私は「卵子提供」という選択肢を選びましたが、その過程は想像以上に辛いものでした。それでも、自己卵子で治療に臨んでいる方たちに比べれば、私の苦労は小さいものだと思います。夫とともに「不妊治療をゼロから全て行っている方たちには、心からの敬意を表したい。体外受精で子供を迎えるのは本当に簡単なことではない」と感じています。

その後、コウノトリのサポートを受けて、私は無事に移植し、妊娠することができました！妊娠検査薬に2本の赤い線が現れたときは、本当に信じられませんでした。「妊娠した！妊娠した！」と大喜びしたのを覚えています。再診のためにコウノトリへ行くと、O医師は私たちに胎児の心音を聞かせてくれました。その音がどれほど神秘的で美しいものだったことか！夫は私のお腹に新しい命が宿っていることが信じられない様子で、私をお姫さまのように大切に扱ってくれました。どんなことも慎重に進める姿はとても新鮮でした！

その後受けた妊婦検診も全てが順調で、高齢出産に起こりやすいリスクなども発生しなかったのは本当に幸運でした。私は以前、子宮筋腫の手術を2回受けていたため、帝王切開を選ぶしかなかったのですが、35週目に娘は待ちきれずに早産で生まれました。早産ではありましたが、体調には問題もなく、生まれたばかりの赤ちゃんは本当に可愛く、この上ない幸せを感じました。翌日、赤ちゃんが目を開けて私たちを見つめたとき、その表情が本当にパパにそっくりで、私たちも自然と笑顔になりました。

今、娘は1歳を過ぎ、とても活発ですくすくと育っています。妊娠までの道のりは辛かったですが、初めて赤ちゃんと対面した瞬間や、娘の成長の一つ一つは、きっとこの先も忘れることはないでしょう。
 

発想を変えてから得た最高の選択

今、私は年を重ねてから妊娠を目指している女性たちにエールを送りたいと思います。自分の卵子で治療を重ねても結果に結びつかないのであれば、「卵子提供」を考えてみてください。若い女性の卵子の品質に勝るものはありません。私自身もかつてはドナーの遺伝子に問題はないかと不安を抱いていましたが、コウノトリでは卵子ドナーに対して厳しい審査を行っているので、安心して治療を受けることができました。

「卵子提供」は、多くの人にとって敷居が高い治療かもしれません。しかし別の視点から考えてみると、もし母になること、健康な赤ちゃんを心から願っているのに、自分の体がそれに応えることができない場合、「卵子提供」は本当に素晴らしい選択肢の一つだと思います。卵子提供でも同じように10ヶ月の妊娠期間を経て出産し、授乳もする、母親になる過程は同じです。「卵子提供」を受けることで母親になる夢が早く叶い、赤ちゃんの成長を楽しむことができ、また母親の苦労を知ることで、私自身も母親をより一層大事に想うようになりました。

コメント

1. 心の壁を乗り越えるには大きな勇気が必要です。AMHの値が低いことが分かった状態から「卵子提供」を決断するまでの間、自己卵子での治療に固執しなかったということは、非常に勇気のある決断でした。また、この決断により、この患者さまは、多くの体外受精の費用を節約することもできました。

   マッチングや治療期間中、コロナの影響で治療の延期を余儀なくされましたが、治療そのものは全てが順調に進みました。自己免疫による攻撃や子宮環境にも問題がなく、一度の移植で成功し、無事に出産まで至りました。

2. 43歳を超えた患者さまに対して、私たちは専門的な観点から3つの治療法を提案しています。それは、直接「卵子提供」へ進むこと、自己卵子での治療を望む場合には、6か月間のタイムリミットを設けること、そして「卵子提供」の手続きを進める間に、自己卵子での治療を試みることです。年齢と卵子の品質は密接に関係しているため、早い段階で「卵子凍結」の重要性の知識があれば、過去の自分から「卵子を借りる」ことができたかもしれません。
   
   当院は卵子バンクを有しており、どの血液型の卵子も十分に揃っているため、2〜4週間でマッチングを完了することができます。
   
   ドナーは全員、「厳しい健康診断と評価」を受け、条件をクリアした方のみが登録可能となります。また、雰囲気に似たドナーとのマッチングを行っているので、お子さまが自分に似ていないことを心配する必要はありません。10ヶ月間自分のお腹で育んだ大切な宝物です。
    

＊実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。