精子は年齢により、その後の体外受精率・成功率に影響する?

一定の年齢を超えた精子は、その後の体外受精による受精結果や妊娠率において、若い精子に比べても劣ることはないのでしょうか。

2024-02-29

精子は年齢により、その後の体外受精率・成功率に影響する?

卵子・精子に対して年齢が与える影響には雲泥の差があります。生まれた時から卵子の数が決まっており、年齢を重ねるごとにその在庫量が減少する女性に対し、男性は年齢にかかわらず精子を作り続けることができます。では一定の年齢を超えた精子は、その後の体外受精による受精結果や妊娠率において、若い精子に比べても劣ることはないのでしょうか。


当院で行われた、2019年1月1日〜2023年3月31日の卵子提供治療週期の統計によると、ご主人の年齢は3つのグループに分けることができます:
30歳以下(n=52)
31~40歳(n=400)
40歳以上(n=818)

それぞれの卵の個数は869個、6,811個、13,762個で、その後の受精率・初期胚率、胚盤胞率は下図の通りです。



この表から分かること:

精子の年齢は受精後の培養結果に影響はしない

また2019~2022年に行われた、移植後の妊娠率は次の通りです(下図2)、
若い精子に比べると、その後の妊娠率は若干低下しますが、大きな差異はありません。




上記から一定の年齢を超えた精子は、その後の培養率・妊娠率、そして生まれてくる赤ちゃんの健康性において、若い精子とほぼ差異はないため、特殊な状況下でない限りは、年齢による精子の心配は不要と言えるでしょう。
 

 

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。