さまよい続けた暗闇 卵子提供で幸せの光を得る
産まれてくるまで、ずっとずっと、子供の容姿の事が気になっていました。ところが、産まれたばかりの娘を初めて抱いた時、容姿云々を越えて、その感触に心から愛おしいと感じました。
2019-01-04
私達夫婦は、40代で出会い結婚。不妊治療に2年間挑戦するも結果が出ず。あきらめる前に卵子提供という選択について考えました。
当時の私は、日本で未だ限定的にしか認められていない卵子提供に対しては、漠然とした抵抗がありました。さらに、自分に似ていない子供を本当に可愛いと思えるのかどうか、自信を持てませんでした。
それでも、「子供が欲しい」という夫の望みを叶えたい気持ちが残っていたので、調べてみると、ある掲示板にヒットしました。そこでは日本の女性達が、情熱を持って、活発に情報交換していました。いつしか、私もその一人であるかのような気持ちになり、まずは問い合わせてみようという意欲が湧きました。
海外の友人から聞いたコウノトリクリニックのスタッフにメールをしてみると、すぐに返事をもらい、スムーズに事が運び、なんのトラブルも無く移植まで進みました。スタッフ達はプロフェッショナルであるのはもちろん、若くて可愛いフレンドリーな女性ばかりで、友人のようにアドバイスをもらったり励まされたりしました。建物も病院とは思えない、おしゃれでリラックスした空間だった事も気持ちを楽にしてくれました。
こうして、卵子提供に対する抵抗や不安は、ネットの掲示板やクリニックの対応や環境によって、ほぐれて、子を持つことへの楽しみや勇気へと変わっていきました。
最後に、「自分に似ていない子供を可愛いと思えるか」についてですが、卵子提供如何に関わらず、母親は誰でも、妊娠、出産、そして育児を通じて、その愛情は育まれるものなんだと気づきました。今ではもう可愛くて可愛くてたまりません。正直、産まれてくるまで、ずっとずっと、子供の容姿の事が気になっていました。ところが、産まれたばかりの娘を初めて抱いた時、容姿云々を越えて、その感触に心から愛おしいと感じました。気になっていた容姿も、希望以上にとても可愛いです。
結論、卵子提供は、私にとって、ポジティブで明るくて楽しい経験になりました。いつの日か、日本でも、この話題が、よりオープンになる日が来るといいなぁと思います。
コメント
- 私たちの縁は、卵子凍結を行った日本人の患者さまの紹介から始まりました。当時、その患者さまと当院の4つの医療内容(台湾最大の精子・卵子バンク、卵子凍結、PGT-A/PGS,PGT-M/PGD、海外医療サービス)について、そして日本では卵子・精子提供を受けることはできないため、日本人の患者さまは当院へいらっしゃるんですよ、と話をしたことを今でも覚えています。まさかそんな会話をずっと覚えていて、ご夫婦が不妊に悩まれている時に話をされ、まったく異なる人生を歩むきっかけを作ってくださったとは思いもよりませんでした。
- 多かれ少なかれ卵子提供を耳にしても、卵子ドナーは健康なのか、子供と容姿は似るのか等を心配し、その選択肢を排除するでしょう。当院の月刊誌【iVie 23期のコラム_嫌われた幸せ】では卵子提供への抵抗や不安は厭わしい幸せで、幸せを遠ざけるとあります。この患者さまも当初はそう考えていましたが、出産後には本当はとても素晴らしい幸せだったと気づいたのです。
凍結卵子 | 融解生存卵子 | 正常受精 | 胚盤胞 | 移植 | 結果 | |
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個数 | 17 | 14 | 11 | 6 | 培養5日目/4AA | 出産 |
*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。