早発閉経 絶望を越え、卵子提供でつかんだ幸せ
私は早発閉経のため結婚直後からすぐに不妊治療を始めました。幾度も治療を重ねましたが、採卵できた卵子は全てその後の治療には適さないものばかり。卵巣を検査すると、使用可能な卵子が全くないということが分かりました。つまり自己卵子で子供を授かることが出来ないということを意味します。そんな絶望の中で、残る唯一の方法が卵子提供でした。
2018-08-24
私は早発閉経です。高校生の頃に生理が来なくなり、薬で生理を起こす治療をしていました。結婚をしてからは本格的に不妊治療を始めました。ホルモン療法をしていましたが、一度も卵胞を確認することが出来ませんでした。卵巣を検査しましたが、原始卵胞が無いとの結果でした。卵子が無いので、子供を授かることが出来ません。子供を授かることができないという絶望の中で、残る唯一の方法が卵子提供でした。
卵子提供のことを検索すると、初めはアメリカでの卵子提供がヒットしましたが、莫大な費用の壁にぶつかりました。そんな時、通っていた産婦人科から台湾での卵子提供を紹介されました。詳しく調べてみると、台湾であれば、距離も近く、費用もアメリカに比べれば遥かに手の届く金額だとわかり、希望の光が見えたようでした。産婦人科からは2つの病院を紹介され、どちらの病院にするべきかとても悩みました。両方の病院とメールでやりとりをしたりして、両方の病院のことを色々調べました。メールでのやりとりでは、どちらの病院もとても親切に対応してくださいました。悩みに悩んだ末に、最終的にコウノトリクリニックに決めたのは、地域からの信頼がある病院だったからです。
もうひとつの病院は日本人の患者に人気のようでしたし、圧倒的に情報量は多かったのですが、やはり現地の人が多く通う病院の方が信頼出来ると考えました。あとは、少しでも早く初診を受けたかったので、先に予約の取れたコウノトリクリニックにしました。これも何かのご縁かと思って。
9月の初めに初診で来院しました。桃園空港からはバスで新幹線の桃園駅まで15分。新幹線で桃園駅から新竹駅まで10分。新竹駅から病院まではタクシーで15分くらいでした。病院に着くと、びっくりする程立派な建物で、まるで美術館のようでした。ドアマンのお出迎えもあり、ホテルさながらです。
日本で何度もメールでやりとりしていた日本語の話せる担当の方とご対面。見るからにとても優しそうな素敵な方でした。銀行へ両替と役所へタクシーで連れて行ってくれました。この時のタクシー代は病院持ちです。両替はなかなか大金だったので、一緒に行ってもらえてとても安心でした。連れて行ってもらった銀行はレートも良く、担当の方様様でした。役所での用事も済み、病院に戻り、先生の診察まで時間があるので、今のうちにご飯食べて来ますか?とお気遣いいただき、わざわざオススメのお店の地図をプリントアウトしてくださいました。教えていただいたお店は現地の人に人気のお店で、美味しかったです。日本語は通じなかったですが、もちろん日本人もおらず、現地を満喫した様な貴重な時間になりました。
その後副院長先生の診察に通されました。副院長先生も見るからに優しそうな方で、安心感がありました。副院長先生は日本語が話せないので、担当の方が通訳してくれながら幾つかの質問に答えました。そして『今年中には妊娠可能だと思います。』と言っていただきました。その自信にこちらも希望が持てた気がしました。内診もありましたが、全てが最新機器で、日本よりも遥かに優れているようでした。
内診後は書類にサインをしたり、ドナーさんの希望を伝えたり。ドナーさんの写真などは見ることが出来ないので、とにかく病院に希望を伝えて、あとはお任せするのみです。
全てが終わる頃には夜になっていて、ロビーには現地の患者さんでいっぱいでした。やはりどこの国でも不妊治療されてる方は多いんだなと実感しました。そしてここの病院はやはり現地の方に人気なんだと実感しました。最後にお支払いをしましたが、卵子バンクの登録料のみクレジットカードが使えました。NT$80,000だけですが、少しでもクレジットカードが使えて助かりました。帰り際に病院の宿泊施設を案内してもらいましたが、ここもまたホテルの様でとても清潔感があり、とても素敵でした。ただ、宿泊料は少しお高めです。帰りの新竹駅までのタクシーは病院側が手配してくださって、尚且つ支払いも不要とのことで、至れり尽くせりでした。
帰国後、1ヶ月もしない内にドナーさんの紹介がありました。残念ながら1人目のドナーさんは私たちの希望には沿わずでしたが、2週間程で2人目の方の紹介があり、その方にお願いししました。初診から約1ヶ月半でドナーさんが決まり、思っていた以上にスムーズでした。それからはドナーさんの採卵まで何も進展のない時間に悶々としましたが、11月末から採卵周期に入り、その時点での卵胞の数も教えてくださいました。結果的に12月初めに採卵、受精、胚盤胞の凍結が完了しました。随時進捗状況は教えてもらえるし、何か質問があればすぐに答えてもらえるので、とても安心でした。ちょっとしたことでも質問していましたが、毎回丁寧に答えてくださいました。
そして12月半ばには胚盤胞の移植に渡航しました。担当の方にはホテルの手配もお手伝いしてもらったり、本当に親切にしていただきました。
移植当日は、移植する胚盤胞の写真を見せてくれて、無事融解出来たと教えてくれました。移植も副院長先生がしてくださいました。もう終わったの?!ってくらいスムーズに移植も終わり、安静にと、とてもゆっくり休ませてくださいました。昼食も用意してくれていて、とにかく親切でした。移植後の生活についてや、お薬の説明など丁寧にしてくださいました。それから約2週間後に日本の産婦人科で妊娠判定の検査をし、無事陽性の判定をいただきました。初診から約4ヶ月で、無事妊娠することが出来ました。夢のようでした。まさか自分が妊娠出来るなんて。
それから十月十日が過ぎ、無事可愛い可愛い女の子を出産しました。
色々遠回りはしましたが、コウノトリクリニックと出会えたことで、今私の腕の中には愛しい我が子がいます。生まれてきてくれるまで、自分たち夫婦に似ていなかったら、自分の卵子ではないから愛情が持てなかったらと不安に思うこともありましたが、実際生まれてきてくれたら、そんなことは吹っ飛んで、ただただ愛おしいです。
こんなに大きな幸せをくださったコウノトリクリニックとドナーさんには感謝してもしきれません。いつもクリニックとの窓口になってくださったCelineさんには本当にお世話になりました。不安なことがあるとすぐ連絡してしまいましたが、いつも優しく対応してくださって、言葉の壁もノーストレスでした。
たくさん悩みましたが、コウノトリクリニックを選んで本当に良かったと思っています。
本当にありがとうございました。
コメント:
- 複数回の採卵経験がありましたが早発卵巣不全により、採卵した卵子は毎回受精を行うことができませんでした。そのため原発卵胞体外活性化法(IVA:in vitro activatio)を用い、原子卵胞が使えるかどうか確認を行いましたが、残念なことに使用できる原子卵胞を見つけることはできませんでした。
*原発卵胞体外活性化法(IVA:in vitro activatio):
通常、排卵誘発注射の効果が優れない早発卵巣不全の方に行われます。まず腹腔鏡にて卵巣を摘出。卵巣内組織の検査を行い、卵巣内に使用可能な原子卵胞があるかどうかを確認します。そして原子卵胞を確認できたら人工活性化方法で卵子まで培養し、その後の治療へ進みます。
- この患者さまは、もともと日々の生活について細かく記録をつけてらっしゃいましたが、十月十日の妊娠の過程では赤ちゃんの状況をさらに事細かく記録し、私に知らせてくれてくれました。患者さまが幸せを私と分かち合おうとしてくれることは本当にうれしく、この仕事にやりがいを感じさせてくれます。
- 当院での治療歴
1.先天性の早発閉経に対する解決策はありません。
原発卵胞体外活性化法(IVA:in vitro activatio)を行っても卵胞が見つかる可能性はとても低く、その後の妊娠の可能性も極わずかです。
侵入性検査の腹腔鏡手術を行い、卵巣組織を採取することで卵胞の有無を確認することができます。
2.感動するサービスは「早く(盡快)、楽しく(愉快)」の2つの「快」、この2つを当院の理念として掲げています。
来院される患者さま一人一人に温かさを感じていただき、また短い時間で楽しく妊娠するという目標の達成、それがご夫妻の思い描く家族像実現につながると考えています。
*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。