いつ切り替える?海を越え卵子提供で幸せをつかむ

それまで卵子提供というのは、遠い海外に渡航し莫大なお金がかかり、一般人には非日常的な出来事だと勝手な先入観を持っていました。

2021-07-08

いつ切り替える?海を越え卵子提供で幸せをつかむ

卵子提供の出会いと運命。決断して進んだ道は正しい選択だった。
この度、卵子提供によって待望の女の子が生まれました。子育ては想像以上に大変ですが、とても充実した日々を送っています。病院スタッフの皆様、そして何よりもドナーさんには感謝の気持ちでいっぱいです。

卵子提供は手が届かないものだと思っていた

私達夫婦は5年ほど不妊治療に取り組んできました。長く先の見えない治療に、不安と焦り嫉妬などを繰り返し、心と体が消耗する日々でした。不妊治療を止めるタイミングは自分達で決めなくてはいけないので、とても葛藤がありました。体外受精での採卵は誘発しても1個しか育たず、年齢を重ねるとともに更に育ちにくくなりました。それでもどうしても子供を諦めることが出来ず、養子縁組を検討してたところに、卵子提供という選択肢があることを知りました。それまで卵子提供というのは、遠い海外に渡航し莫大なお金がかかり、一般人には非日常的な出来事だと勝手な先入観を持っていました。しかし、様々な情報を得ていくうちに、台湾で多くの日本人や外国人の方が治療を受けて子供を授かっているということを知りました。私たちの心に未来への希望が見え始めた瞬間です。
 

卵子提供説明会当日にマッチングを行う


それからは説明会も定期的に日本で開かれていたのですぐに参加し、日本語が通じるスタッフの方に質問もできたので卵子提供がとても安心で身近なものだと感じるようになりました。私達は卵子バンクを選択したので説明会の日にドナーさんを決めました。
初診日は、初めての台湾なので旅行を兼ねて夫婦で観光も楽しみながら行きました。新竹院の印象はとても綺麗な病院で、担当スタッフの方のサポートにより、手続きなどスムーズに終えることが出来ました。日本に帰り移植を待つ間は、受精の状況、お薬の指示などはlineやEメールでのやりとりで確認しました。急ぎの要件やどうしても分からない事があった時には、電話して直接確認することもできたので良かったです。

初めての移植は妊娠に至らず-ERA検査により問題を発見


そして、初めての移植。
今度は私一人で行きました。残念ながら1回目の移植では妊娠せず、次の周期はERA検査を受ける事にしました。その結果、着床の窓がずれていたことがわかり、薬の飲む時間を調整し2回目の移植で妊娠することができました。
妊娠がわかった時には夫婦共に喜びでいっぱいでした。同時に出血が続き出産するまでは不安もありましが、無事出産し我が子を抱くことが出来ました。妊娠中は、卵子提供という遺伝子の問題で、生まれてくる子に対しどういう感情が芽生えるか未知の世界でした。実際出産し育てている現在、遺伝子の問題はあまり関係ないんだなと感じました。今までの不妊治療での苦労はこの子に会う為の試練だったのだとさえ思えます。隣ですやすやと眠る我が子を見つめながらこの体験談を書くことが出来、幸せでいっぱいです。私自身、また二人目もすぐにでも欲しいと思っているので、不安や迷いの中にいる沢山の方がこの幸せを得られる事を心から願っています。
 

コメント

  1. 卵子提供を受けに初診へお越しの患者様は、PGS(着床前染色体スクリーニング)や、ERA(子宮内膜着床能検査)など、より高度な検査を受けるかどうか迷われます。実際にはドナー様の年齢層は若く染色体異常率は高くはないため、PGSの検査をせずにその費用をERA検査に充てることができます。たとえ胚が正常であっても、ずれたタイミングで移植を行うと妊娠することはできないからです。
     
  2. この方の文章を読むと、これまでの治療で感じてきた様々なお気持ちが伝わってきます。お子さんを出産された時の喜びを考えると、長くつらかった治療は、この子に合うための試練だったとも思えます。そんな親としての感情は、卵子提供を受けたかどうかなど関係ありません。
     
  3. 患者様の治療結果

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。