免疫ママの勇気

彼女、趙小僑は「勇気のあるママ」です。体外受精失敗を知られても臆さず、成功したら喜びを分かち合い、最も悲しいときは助けを求めることを忘れません。おめでとうございます!幸せはもうすぐ目の前です。彼女の冒険に沿うことができ、言い表せない喜びでいっぱいです!

2023-05-24

免疫ママの勇気

なぜいつも失敗してしまうのでしょう。気持ちの問題?それとも?

2020年に初めてお会いしたとき、彼女はちょうど40歳。まだマスク着用が不要な頃で、はつらつとした「美少女」と表してもおかしくないほど若々しく、更に驚いたのは卵子の在庫量を示すAMH指数が35歳平均よりもずっと高かったことです。過去、一度で13個の卵子を採卵することができていたので、心のなかでは「楽なケース」と考えていました。

やってみてその難しさを知る!
このくらいの年齢の方が他院で失敗の経験があったならば、当院独自の治療コース「IVF3.0+」をお勧めします。胚盤胞の染色体が正常かを調べるPGT-A/PGS検査と、着床の窓口を調べるERA検査を組み合わせたプラン、つまり「最適なタイミングで、選び抜いた胚盤胞を移植する」治療法で、これで成功しないわけがありません。

移植後、とある免疫指数が突如驚くほど高くなりました。胚盤胞は侵入者、体内に侵入した後、免疫機能がこれを排除しようと反応するのはおかしいことではありません。ただ彼女の場合はそれが尋常でないくらいでした。移植前の数値ではごく僅かな弱陽性だったため、薬などを処方することはしませんでした。それが移植後には高数値に…。この移植の結果はご想像のとおりです。貴重な胚盤胞を大事にすると同時に、見えるより「見えない」ものも検査しておくことが大事でした。

余裕綽々でいたら平手打ちをくらってしまった!
「隠された免疫を排除」することを前もって行うのは至難の業です。犠牲打で犯人を探し出し(グレードの低い胚盤胞を移植し、免疫機能の反応を見る)、半年お休みをとった後に再出発をするしかありません。「犯人」が現れてしまったのなら、相手になるだけのこと。次の移植では「免疫療法」、とっておきの高価な「バイオ薬剤」を併せると、効果てきめんでした。

妊娠後ももちろんSOPに沿って治療を行っていきます。1度バイオ薬剤を使用すると3週間ほど胎児を守る効果があるので、2回目を打つ頃には心拍が聞こえるようになります。胎児の成長が正常であるならば、私の経験上、免疫と戦うママを妊娠14周期まで見守ったら、もう安心。何か問題が起こるのは非常に稀なことです。当院での診察を終了したら、次にお会いするのは望年会(当院の卒業式)、或いは二人目を望まれる時でしょう。卒業証書をお渡しし、祝福しました。

胎児の心拍停止はまさに青天霹靂、心音が消えたことは悲しみだけでなく、「なぜ?」の気持ちをかり立てました。

「失敗は高価。更に高価なのは理由がわからないこと!」

大多数の反復着床不全や流産を経験した患者さまは、「本当の原因」を知りません、或いは

悲しみ故「犯人」を探し出す気力すらないのかもしれません。そうして次回も以前と同じ方法で移植をしていくので、何度も失敗するのは至極当然です。その点、彼女は違っていました。その猛烈な追求心は「当院のスタイル」そのものでした。

2022年初め、3回目の移植に臨みました。同じところで躓くわけにはいきません!「免疫ママ」には特別寄り添い、心の支えになるパートナーが必要です。心が温かく、穏やかな「心理カウンセリング」のリーダーAngelにパートナーとしてついてもらうことにしました。「心理カウンセラー」は当院のただのスタッフではなく、痒い所にも手が届くスペシャリストです。やっとのことで妊娠初期3か月の危機を乗り越え、もうすぐ後期に突入しようとしています。今回はメディアで妊娠を公言することもなく、ひっそりと控え目だった彼女と私たちチーム全員の心は、治療というトンネルの先に待つ幸せと期待で満ち溢れています!

そう!「なぜいつも成功しないの?」と考えるよりまず、免疫に苦しめられた彼女がどう授かることが出来たかを探ってみてはいかがでしょう。

 

"彼女は物事には原因が必ずあると信じ、「変える」ことで成功すると信じていました。
失敗する度、そこには「ヒント」が隠されていると更に信じ、そこから常に学び、前進した先に妊娠が待っていると信じていました。″ 

「なぜ授かりたいか」を明確に、不妊治療のプロのもとを訪ねてください。決して時間と費用を惜しんではいけません。

反復着床不全の方や、習慣性流産の方の多くは「免疫ママ」です。当院の「IVF3.0+(体外受精治療にPGT-A/PGS、ERA検査を組み合わせた治療法)」に「バイオ薬剤」を併せることで、8割の方が卒業証書を手にすることができます。非常に高価な「バイオ薬剤」は通常、妊娠初期を過ぎるともう打つ必要はありません。彼女は極めてレアなケースで、後期までそれを続ける必要がありました。これほどの試練をくぐり抜けた彼女が卒業できるのです、皆さんの願いもきっと叶うでしょう。

彼女、趙小僑は「勇気あるママ」です。体外受精失敗を世間に知られても臆さず、成功したら喜びを分かち合い、最も悲しいときは助けを求めることを忘れません。これは「戦友たち」が一番理解していることでしょう。母になる喜びを祝うために、同窓会でも開くかもしれません。強くパワフルな彼女は周りの人に影響を与えてきました。おめでとうございます!幸せはもうすぐ目の前です。彼女の冒険に付き添うことができ、言い表せない喜びでいっぱいです!

追記:2022年7月、無事に元気な女の子を出産されました。

コメント

1.当院独自の「IVF3.0+」には以下の3つが含まれます:着床前スクリーニング(PGT-A/PGS)、子宮内膜着床能検査(ERA)、そして3回の採血確認です。
初めの検査を行うことで60点を得ることができ、2つ目を行いプラス20点、3つ目は前もって得ることができない20点なので、つまり移植前は誰もが80点ということになります。問題は体外受精の結果は「0点でないなら100点」、では80点は?

2.隠れた免疫不妊:免疫機能による排斥反応を移植前に検測できず、胚移植後に初めて身体に反応が起こります。このような方たちは通常、たとえ胚の染色体が正常で、着床のタイミングが合っていても、着床が甘かった(浅い着床)などではなく失敗に終わってしまいます。

 
3.3回の血液確認:当院独自の免疫検査で2回妊娠に至らなかった、或いは流産の過去がある方に対し、移植前に1回目、移植後特定の日に2回目、妊娠判定日に血液検査数値が理想的でない場合に3回目の検査を行うことで、8割の方が「犯人」を探し出すことができます。集めた数字を分析し、2回目の移植では免疫療法を併せ先手を打つことで、大幅に妊娠率を高めることができます。

 

4.犠牲打:胚盤胞はこの上なく貴重です!

正常な胚盤胞の数に限りがある状況では、1度目の移植にベストな胚ではなく2番目の胚盤胞を移植し、3度にわたる血液確認を行い免疫の情報を集めていきます。もし不運なことに免疫機能により胚が攻撃を受けてしまった場合でも、次回は更に期待のできる良好胚を移植することができます。

 
心理カウンセリング:当院独自の「心理カウンセリング」、3度失敗した患者様の治療に寄り添います。このスタッフはプロなだけでなく温かさのある、「オールマイティー」なスタッフで、誠心誠意、一日も早くわが子を授かれるようサポートしていきます。

「勇気あるママ」の当院での3回の移植の状況は以下の通りです:

 

*実際の治療は医師の診断のもと行っていきます。
本文は編集当時の治療状況、及びご提案です。