2016-02-01

卵巣機能の早期低下は婚姻を曇らせる 雨風が過ぎ去り「妊娠」がドアをノックする

華人健康ネット【文/王懷麟医師】
 
彼女に初めて知り合ったのは、1人の友人からの紹介でした。
外見は非常に美しく、話すと北京訛りがあり、中国人ということが分かりました。
彼女は過去にあった数々の出来事を話し出しましたが、それは彼女にとって振り返りたくない過去でした。
 
30歳になる前に台湾に嫁いできて、旦那さんは台湾で非常にお金持ちの実業家です。
しかし運命の神は彼女を弄び、2年のうちに連続で2回の子宮外妊娠になったことにより、2人は自然な受胎ができなくなり、体外受精による治療に助けを求めるしかありませんでした。
しかし体外受精が1回失敗したことで、この婚姻生活も葬ることになり、最終的に2人は人生の道を別々に進むことになりました。
 
それから5年が経ち、気持ちの整理がついたころ、1人の端整な客室乗務員の男性と知り合いました。
2人はたちまちのうちに結婚することとなり、母親になる夢を実現させるために、すぐに治療のため台湾に来ることを決意しました。
今回の採卵の結果はまずまずといったところで、合計14個の卵子を採取して9個の胚を形成し、3日目に4個の胚を移植したところ、幸運にも双子の妊娠に成功しました。
 
喜んで中国に戻り、これから続く幸せの旅路を準備していましたが、3か月目が過ぎた頃、血圧か急激に高くなり、その上全身がむくみ出しました。
薬による治療が効かず、最終的に今回の妊娠を諦めるしかありませんでした。
体を療養して半年が過ぎたころ、焦っていた彼女はもう一度治療を始めました。
今回の卵子の数は少なく、9個だけでしたが、それでも7個の胚を形成し、5日目に4個の胚を移植しました。
しかし、今回は順調に妊娠することはなく、妊娠検査薬で1本線が表れたのを見て、直ちに全ての自信が無くなり、暗い気持ちで台湾を後にしました。


次の駅にある幸せを求めて 妊娠の道はこんなにも険しい

また5年程が経過したある日の午後、彼女が診察室に現れたときは、外見はそれほど大きな変化はありませんでしたが、側にいる人が新しい人に変わっていました。
2回の紆余曲折を経験しても、彼女は依然として人生における幸せを探していました。今回はまた自信を取り戻して、子供がいる夢に向けて前進していました。
 
しかし歳月は人を老化させるもので、外見は年齢を止めることはできても、妊娠力は残酷に且つ現実を生々しく表します。
今回採卵した卵子の数は以前の半分で、4個の卵子だけとなりましたが、幸運にも2個の良好な胚盤胞を形成しました。
既に40歳を越していることを考慮し、着床の確率を高めて胎児に異常が生じないようにするため、胚の染色体検査を受けました。
不幸にも、染色体の分析結果は、2個の胚のうち1個はDNAシグナルが検出できず、もう1つは染色体に異常があり、やむを得ずまたやり直すしかありませんでした。
 
旦那さんの精子の状態は良い時と悪い時があり、2回目は意外にも精子が1つも見つかりませんでした。
しかし卵子凍結の技術が既に進歩しているため、すぐさま5個の卵子を凍結しておくことにしました。
2か月後に3回目の採卵を行ったところ、卵子の数は更に少なく、2個だけしかありませんでしたが、やむをえず5個の凍結卵子と一緒に融解して受精させ、最終的に7個の胚のうち3個の良好な胚盤胞で生検を行い、1週間後の染色体の報告を待ちました。

雨風が過ぎ去り、ようやく「幸せの妊娠」がドアをノックする

もしかすると、いくつもの起伏や降り続ける雨や風を経験したことは、彼女がゆっくりと気持ちを整え、将来と向き合うためだったのかもしれません。
一心に幸せな家庭を求めていた彼女に、今回ようやく幸せな妊娠がドアをノックしました。
戻ってきた検査報告には、2個の正常な胚があり、1個を移植してから順調に妊娠が成立し、現在は既に妊娠4か月となりました。
電話で良い知らせを聞いたところ、現在検査の全てが正常ということで、ひたすら待ち続けた健康な赤ちゃんの到来する予定です。
 
古くから言われているように、女性はお金持ちのところに嫁ぐだけで幸せといいますが、本当の幸せはお金で手に入るものなのでしょうか?
本文中の女性主人公は、20代の人生で最も美しい時から現在40代の熟女の段階まで、人生においてひたすらに次の駅にある幸せを探し続け、ようやく母になるという夢を実現させました。
現実の生活は彼女に、歳月は女性の生殖力に影響し、こんなにも残酷なものだということを気づかせてくれました。
しかし、彼女はそれでも負けずに努力し続けたため、卵巣の衰えにやっと春が見えてきました。