2016-02-04

新竹サイエンスパークの女性、仕事が忙しく恋愛する時間なし-「卵子の凍結保存をしておくことで、将来の保険をかける」

聯合ニュース 記者張嘉芳/台北報道

近年女性の意識が目覚め、多くの女性が努力をして仕事に打ち込んでいますが、これにより結婚適齢期や出産のタイミングを逃しているのも事実です。
自分のために保険をかけ、「卵子を使いたい時には数が少ない」という事態を避けるため、現在年齢が高くなった女性の中には卵子凍結を考えている方もいます。
台湾では。女性芸能人の影響もあり、卵子バンクの凍結卵子数は5年間で数十倍に膨れあがっています。


「今保存をしておかないと、将来はそのチャンスがなくなるかもしれない」
送子鳥生殖医療センターの医師は、女性の外見は年齢を止めることができても、生殖年齢は神に逆らうことはできず、老化を止められない卵子の数と品質を将来のために保存しておくことは、受胎成功の重要な鍵となると言います。
人工授精技術は絶えず進歩していますが、年齢の増加は妊娠成功率を下げ、精子と卵子の「良好率」も下げます。

医師は、2010年に卵子凍結を受け入れた女性は僅か7~8人だったが、来年の卵子保存数は倍増し、これまでのところ毎年100人以上が卵子凍結保存をしていると示しています。
更に分析してみると、卵子凍結を行うグループは30~39歳までが多く、大部分の人は友人が不妊治療の苦しみを受けているのを見てきており、更に今のところ自分には理想的な相手がいないので、先に卵子凍結をして保険をかけておうと考える人が多くいます。
また、一部の女性は海外に行く計画や、芸能人の卵子凍結の報道を見て、年齢を重ねて妊娠が難しくなることが心配になり、今後の必要な時に備えるために、先にお金をつぎ込んで卵子を保存しておこうと考えています。

32歳の娟さん(仮名)は、新竹サイエンスパークでエンジニアをしています。2年と少し前に生理不順で医者にかかった時、ちょうど卵子提供により不妊症の夫婦の夢を叶えることができることを耳にしたのですが、その時彼女は卵子の提供は献血と同じように簡単なことだと思っていました。
そして「他人を助けることは幸せなことだ」という考えのもと、すぐさまドナーになることを決心し、その後2回で合計10個の卵子を採取しました。

娟さんは、2年と少し前に卵子提供をした時、事前に採血をして「抗ミュラー管ホルモン(AMH)」を検査し、自分の卵巣年齢を知りました。その時はAMHの数値が4を超えていましたが、去年思いがけずチョコレート嚢胞が見つかり、AMHの数値が2を少し上回る程度にまで下がり、このことで彼女は「体は外見のように強壮ではない」ということを意識しました。
毎月生理は来ていたため、婦人科ではない医者にかかっていたなら、卵巣機能が今まさに衰えてきていることはまったく発見できなかったでしょう。

娟さんは毎日平均で少なくとも9~10時間働き、時には土曜日に休日出勤しなければならないこともあり、恋愛する時間など全くありませんでした。
そこで「自分のために1つの希望をキープする」ことを決め、当初は家族に隠して卵子を凍結保存しました。
後から知った母親はとても驚いていましたが、そのうち徐々に理解してくれるようになりました。
排卵誘発剤、卵子凍結保存など治療工程に関わる費用は高額であり、1回に十数万元がかかりますが、娟さんは「これは一つのチャンス」と考えています。
友人たちは彼女が卵子凍結を行うことを聞いた時、初めはとても驚いていましたが、彼女の体の状態を知ってからは皆支持してくれています。