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13 /
2017
移植前の検査(1)卵管造影
移植前に実施する検査:卵管造影
卵管の異常は女性不妊の主要な原因の1つです。良く見られる症状として卵管の閉塞や癒着、水腫などがあります。
発生率は女性不妊の20-25%を占め、不妊に悩む女性の4人に1人が卵管の異常を持っています。
健康な卵管は3つの用件を備えています。
①閉塞がないこと
②癒着がないこと
③繊毛細胞が正常に機能していること
卵管に閉塞がないことを調べるには以下の4種の方法があります。
検査方法 | 通気法 | 通水法 | 卵管造影 | 腹腔鏡 |
検査精度 | 約50% | 約60% | 約80-90% | ほぼ100% |
コウノトリ生殖医療センターでは卵管造影による検査を実施しています。
患者様の身体への負担の少ない水溶性の造影剤をしており、簡単でより正確な検査が可能です。
検査時期:生理の7日目から11日目の検査をおすすめします。
検査方法:医師が子宮内に造影剤を注入し、子宮や卵管内に造影剤が広がりきったタイミングでレントゲンによる確認を行います。検査は5分程度で完了します。
体外受精・卵子提供における卵管造影の必要性について
体外受精や自己卵子を使わない卵子提供では、卵管の閉塞は妊娠と無関係なのでは?と思われるかもしれません。
しかし、水腫が原因で卵管閉塞が発生している場合は卵子提供であっても妊娠率が目に見えて低下します。
理由として以下の2つが挙げられます。
(1)卵管に溜まった水が子宮内に流れ込み、胚盤胞を流してしまう。
(2)水腫の箇所で発生した炎症の原因となる物質が子宮内にも影響を及ぼし、胚盤胞の着床を妨げる
卵管造影検査Q&A
Q1.卵管造影検査は強い痛みがありますか?
A:卵管に閉塞が無い場合は、わずかに不快感を感じる程度です。もし、卵管に閉塞がある場合や慢性骨盤腹膜炎、子宮内膜症の方の場合は比較的強い痛みを伴います。
検査当日は、鎮痛剤と消炎剤をお出ししますのでご安心ください。
Q2.なぜ検査後に消炎剤を飲むのですか?
A:検査に際して、ごくわずかではありますが感染のリスクがあります。そのため、検査後の痛みを抑え、感染のリスクを避けるために鎮痛剤と消炎剤をお出ししております。
Q3.検査の結果卵管水腫が見つかった場合の対処法は?
A:腹腔鏡による卵管の切除、あるいは閉塞(クリッピング)を行い、水腫が子宮内に流入して胚盤胞に影響を及ぼさないように処置をします。多くのケースで、手術後は妊娠率の上昇が見られます。
痛みを伴う検査ですが、検査をせずに胚盤胞の移植に踏み切ることは貴重な胚盤胞や時間と費用を無駄にすることになりかねません。
事前の検査実施をおすすめいたします。
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