不妊治療コラム
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04 / 22 / 2021
【医師コラム】三回の採血により、目に見えない免疫性不妊症の原因を探し出す
著者 李孟儒医師

 

体外受精の治療では、胚盤胞のグレードが良好で染色体も正常、正確な時間に移植しても妊娠に至らないということがよくあります。
これには胚盤胞の着床を妨げる目に見えない要因があるはずです。その要因は一体何なのか。実は、母体の自己免疫なのです。

 

通常、胚が子宮内膜上に着床する時には、炎症反応が起きるのと同様に子宮内膜上に付着します。
胚は、子宮内膜に侵入すると胎児と胎盤に分化し始め、母体から栄養素を吸収するために母体と胎児の循環を確立します。
このとき、母親の自己免疫系は、胚が母体の一部分になるよう受け入れる調整をすることで、胎児が引き続き子宮内で成長することができるのです。
もし、妊娠中に母体が胚を異物とみなし、自己免疫系を活性化させて胚を攻撃すると、胚が着床できない或いは流産に至ります。
これを
「免疫性不妊症」と呼びます。

  

自己免疫の検査はいつ行えば良い?

 

自然流産が2回以上、体外受精を2回しても妊娠に至らなかった
或いは4個以上のグレードが良好な胚盤胞を移植しても妊娠に至らなかった、という方は
免疫性不妊症ではないか採血検査をする必要があります。[1] [2]

 

三回の採血とは何か?

 

母体の免疫状態は状況に応じて変化するため、当院では、母体の免疫状態を評価するために3回に分けて採血をします。
まずは、体外受精治療前、さらに1回目の移植治療期間中に順調に妊娠に至らなかった場合、2回目の移植期間中に再び採血フォローをします。
もし、1回目の採血結果が異常であれば、薬物治療を行い、状態が良くなれば移植を行います。
また、自己免疫系の調整のために、移植後から順調に出産するまで引き続き薬物治療を行います。

 

なぜ三回の採血が必要なのか?

 

体外受精の費用は1回で10万台湾ドル以上かかります。
もし2回以上失敗してからやっと検査をした場合、時間、お金、心理的ショックにより落胆し、諦めてしまうかもしれません。
そのため、流産や着床失敗の病歴がある、または卵子在庫量が少なすぎて繰り返しの失敗に耐えられず、
できるだけ早く妊娠したいと思っている不妊症のご夫婦は、事前に三回の採血
により免疫系を評価することができます。 

 

三回の採血の効果は?

 

2020年9月以降にコウノトリ生殖医療センター台北院と新竹院で三回の採血を行った統計結果は以下のとおりです。
一次検査結果が正常な場合は免疫系に問題がないとされ、妊娠率は約70以上になります。
一次検査結果が異常で、治療を行った後の妊娠率は60%以上。
一次検査結果が異常で二次を行い移植期間に薬物調整フォローをした場合、妊娠率と一次検査での異常率は共に60%以上です。
妊娠率に大きな違いは無く、必ず二次を行う必要はないようです。ですが、急いで結論を出さずに、続きを見ていきましょう。

 




興味深いことに、一次検査の結果が正常でも二次検査を行った場合の妊娠率は84%と高く、一次検査結果が正常で二次検査をしていない場合の妊娠率は64%となっています。
通常、一次検査の結果が正常であると、免疫系に問題はないことを意味しますが、母体の免疫状態は状況に応じて変化するということを忘れないでください。
移植期間に胚を攻撃する免疫反応を引き起こす可能性があります。
二回目の検査をしていなければ、必要な治療を行うこともできず、胚が着床しにくかったり妊娠率が低下することがあります。


 

さらに進んで一次検査が正常かつ二次検査を行った患者様の事例を分析すると、治療をした場合の妊娠率は驚くべきことに100%です。
しかし、現在この事例は3例しかありません。
最初の採血が正常かつ2回目の採血を行い、その後に治療をしていない合は、二回の採血結果共に正常であることを表します。この妊娠率は81%、約16例です。
現在の事例数は多くないため、今後も引き続きより多くの資料を集めて三回の採血の効果の有無を証明していきます。




また、3回目の採血に至る患者様は非常に少ないため、統計には含まれていません。
上記の結果から、目に見えない母体の自己免疫系が免疫性不妊症を引き起こす可能性があると推測されます。
この三回の採血で小さな手がかりかを見つけて、その問題を早期に対処することで妊娠率を高めることに繋がります。
現在の定義では、
自然流産が2回以上或いは体外受精を2回しても妊娠に至らなかった方に対して血液検査を行う必要があるとされていますが[2]、
できるだけ早く子どもを産むという幸せな夢を実現するために、事前に検査することも可能です。
 

参考資料

  1. Moustafa S, Young SL. Diagnostic and therapeutic options in recurrent implantation failure. F1000Res. 2020;9:F1000 Faculty Rev-208. Published 2020 Mar 25. doi:10.12688/f1000research.22403.1
  2. 台灣生殖醫學會免疫療法指引 2018:http://www.tsrm.org.tw/news/content.asp?id=49 













 
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