私たち夫婦は33歳で結婚して間もなく不妊治療を始めましたが、早発性閉経という疾患により、妊娠することが極めて難しい状態でした。
しかし、私にとって子どもを授かることは長年の夢で、あきらめたくない気持ちがあり、国内で何度か転院をしながら体外受精に4回チャレンジしました。
精神的にも辛い治療にも関わらず、結果が出ないまま2年が過ぎ、夫婦でこの先のことを話し合う中で、台湾での卵子提供という選択肢を検討するようになりました。
中国語はおろか、英語も得意でない私たちにとって台湾での治療は、
当初ハードルが高いと思いました。
ただ、調べてみると2回の渡航、しかも数日の滞在でチャレンジできることや、
日本語ができる女性スタッフの方が、事前のメールでの問い合わせに対して、レスポンスよく、どんなに細かい質問でも丁寧に対応してくださったことが決め手になりました。
実際に渡航した際にも、メールでやりとりして下さった担当の方が病院で笑顔で出迎えてくれ、台湾内での手続きや、医師の問診、検査や施術に至るまで常に同行し、
不安の無いようにわかりやすく説明してくれました。
帰国してからも薬の飲み方など、フォローのメールを下さり、安心して治療を進めることができました。
ドナーさんに関しては、国籍や血液型など基本的な事項はリクエストしたものの、私たちに合う方を探してくださるということだったので、
それまでの対応が信頼できるものだったので、不安なくクリニックに一任しました。
結果、選んでいただいたドナーさんが有難いことに、多くの卵子を提供して下さいました。大変な採卵だったと思いますが、難しいと思っていた妊娠が現実に近づいた喜びを感じました。
数多くの胚盤胞からグレードの良いものを選んでいただき、2回目の渡航の際に移植しました。
日本に帰り、着床診断のエコーで小さな赤ちゃんの心臓が動く姿を見て、なんて可愛らしいのだろうと、胸がいっぱいになりました。
子宮内でも順調に赤ちゃんが育ち、自然分娩で出産することができました。産院で15時間の陣痛の末、生まれたての我が子を見た瞬間、思わず涙が溢れました。
夫婦で我が子を迎える準備をずっと頑張ってきたことに対する気持ちはもちろんですが、コンディションの良い卵子を提供してくれたドナーさん、
リラックスできるよう笑顔で施術をしてくださった先生、ずっと窓口になってくれた専任の女性スタッフの方への感謝の思いでいっぱいになりました。
我が子はすでに3か月を迎えようとしていますが、身長・体重も増え、すくすく元気に育っています。
出産前には自分に似ていないことが、気になってしまうのではという不安もありましたが、生まれてみれば、そんなことはどちらも良いと思うくらい我が子をいとおしく感じます。
日本を離れての治療は簡単な決断ではないと思いますが、クリニックの方々が手厚くバックアップして下さるので、
1つずつ進めていけば、チャレンジできない治療ではないと思います。
我が子が大きくなったら、家族で台湾に旅行をしたいと思っています。
日本語コンサルタントLizのコメント
1.早発性閉経の女性は、20-30代で閉経あるいは思春期から生理が来なくなります。
心の中ではお母さんになりたい、と思っていても遥か遠い願いは叶うことはないのです。
私たちは医療の進歩と法律に感謝しなければなりません。
「卵子提供」は台湾では合法化されています。
同じような早発閉経の女性は「卵子提供」によりママになる夢を実現する機会があります。
2.コウノトリ生殖医療センターに来る日本人の患者様の大半は高齢による不妊が原因で来院されます。
ですので、このような早発閉経の患者さんはあまりみることがありません。しかし、近年早発閉経の患者様も少しずつ増えてきています。
体験談を記載くださった患者様は出産後すぐ、第二子の相談のメールが来ました。
「卵子提供」をすることを早く決めたため、彼女は体力も時間もまだあります。きっと4人で素敵な時間を過ごすことができるでしょう。
3. 患者様の治療-幸せの「鍵」



