2018-05-07

第8回アジア太平洋生殖医学会(ASPIRE)で講演を行いました。

今年のアジア太平洋生殖医学会(ASPIRE)が、4月12日から15日にかけて台北で開催されました。
 

アジア太平洋生殖医学会には、コウノトリ生殖医療センターも毎年参加しています。

今年の学会では、当院の培養士が合計3回の講演を行いました。

 

講演のテーマと内容を簡単にご紹介いたします。

1.卵子提供における単一胚盤胞移植の成果分析

卵子提供を通した体外受精において、胚盤胞1個を移植した場合と2個を移植した場合の出産率に大きな差は見られませんでした。しかし、多胎妊娠の確率については大きく減少が見られました。多胎妊娠による合併症から母体を守るためにも、卵子提供における最初の移植では胚盤胞1個の移植を推奨いたします。

 

2.卵子提供における10,887個の冷凍卵子と新鮮卵子の成果比較

凍結した卵子は解凍時の生存率の問題があり、受精率、成熟率は新鮮卵子には及ばないと言われています。

しかし、卵子提供の治療の中で最終的な胚盤胞の染色体正常率は共に約60%で、移植後の妊娠率も約60%と同等の数値を示していました。

卵子提供においては凍結保存をした卵子と新鮮卵子の違いに関わらず、どちらも同様に高い確率で妊娠をすることが可能です。

 

3.エコーを利用しない体外受精治療

エコー(超音波)による検査を行わなかった体外受精と従来のエコーを用いた体外受精を比べた結果、卵子の成熟率や受精率、胚盤胞の成長共に差は見られず、採卵の際の卵子の数も従来と同等の数が採取できました。

胚盤胞移植後の結果については、引き続きデータを収集して観察を継続中です。


 

学会に参加をすることで最新の医療技術や知識に触れ、世界各地の生殖医学に従事する医師や学者の方達と交流を持つことができます。

同時に、その国を代表するような生殖医療機関を訪れ親交を深める機会でもあります。

 

今回は台湾が開催地となったこともあり、当院には学会開催の前後で世界各国30を超える生殖医療機関からのお客様がいらっしゃいました。

海外からの限られた滞在日程の中で、当院をお選びいただいたことを光栄に思います。

賴院長との交流や院内の見学を通して、コウノトリの医療にかける想いは皆様に深い印象を残すことができたでしょうか。

ようこそ、台湾へ。ようこそコウノトリ生殖医療センターへ!